八条学園騒動記
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第六百七十七話 虫になるその十二
「邪悪さです」
「そうした奴だとな」
それならとだ、フックも述べた。
「もうな」
「そうした輪廻もですね」
「当然だな」
こう言った。
「地獄に落ちてな」
「何億回も細菌や害虫にというのはです」
「そうはないな」
「そうです、本当にかなりでです」
実際にというのだ。
「あの探偵はです」
「ベリヤだった時からか」
「恐ろしいまでに穢れたです」
そうしたというのだ。
「一生を送ってきました」
「そうだったか」
「その魂は悪事と罪で穢れきっていて」
そうなっていてというのだ。
「延々と報いを受けます」
「ベリヤの話にはいいものがない」
フックは調べたことから述べた。
「胸糞が悪いかだ」
「若しくはですね」
「かなり胸糞悪いかだ」
「そうしたお話しかないですね」
「秘密警察の人間としては有能だったが」
そして独裁政治下の政治家及び官僚としてはだ。
「性格はな」
「邪悪そのものでしたね」
「吐き気を催す邪悪だったな」
この時代にも残っているこの言葉が当てはまるというのだ。
「まさに」
「そこまでに至ると」
「もうか」
「輪廻もです」
これもというのだ。
「そこまで至ります」
「細菌や害虫にか」
「生まれ変わり」
「それが何億回もか」
「そうなります」
まさにというのだ。
「それだけです」
「穢れているということだな」
「左様です」
その通りだというのだ。
「その罪で」
「何かだ」
ここでタムタムは真剣な顔で話した。
「スターリン時代の秘密警察のトップはな」
「ベリヤ以外のですか」
「無実の者でもだ」
「革命の敵を倒す為ならですね」
「巻き添えにするという考えだったな」
「十字軍の様に」
アルビジョワ十字軍である、フランス南部のカタリ派を征伐することを目的とした彼等は無差別に人を殺したことで知られている。
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