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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのことその十

 他の者達もだ。龍の敗北を見てだ。まずはゲーニッツが言った。
「さて、今回はです」
「もう帰るというの?」
「龍が死んだから」
「もう少し運動をしたかったのですが仕方ありません」
 やはりだ。彼の退場があるというのだ。
「ですから今回はです」
「大人しく撤退して」
「決戦に心を切り替えろというのね」
「その通りです」
 まさにそうだとだ。バイスとマチュアに答えるゲーニッツだった。
 そのやり取りからだ。彼が最初にだった。
 撤退に入る。そうしてだった。
 他の面々も次々に姿を消す。社もだ。
 大門に対してだ。軽い笑みを浮かべて手を振って言ったのである。
「じゃあな。バイバイ」
「去るのか」
「今回も引き分けだな」
「そうだな。しかしだ」
「決着は次だっていうんだな」
「そちらもそのつもりだと思うが」
「ああ、その通りさ」
 その軽い笑みで大門に答える社だった。そのうえでだ。
 彼はだ。大門にまた言ったのである。
「じゃあすぐに会おうな」
「次で決めるとしよう」
「言われなくてもそうなるさ」
 次の戦いが決戦になることは社もわかっていた。だからこそだった。
 大門に対してだ。軽くこう言ったのである。
「じゃあ。最後の最後にな」
「終わらせるとしよう」
「そういうことだな」
 大門に告げてからだ。社も姿を消したのだった。
 戦いは終わった。それを見てだった。
 関羽がだ。こう一同に告げた。
「ではだ。敵もいなくなった」
「じゃあここは帰るのだ」
「これ以上ここにいても仕方ないわね」
 張飛と黄忠がその関羽に応える。そうしてだった。
 彼等は都に戻る。その中でだ。
 関羽は険しい顔でだ。仲間達に述べたのだった。
「あの狐だが」
「あの九頭の狐か」
「あれかよ」
「あれだけ邪悪な存在は見たことがない」
 こうだ。趙雲と馬超に述べたのである。
「九尾の狐のことは聞いていたがな」
「確かにな。あの妖気な」
「これまでより遥かに凄かったな」
 趙雲と馬超の顔も曇っている。その九頭の九尾の狐の妖気を見てだ。
 そしてだ。張飛は言ったのだった。
「あの妖気なら本当に国を滅ぼせるのだ」
「そうね。気は世を覆うっていうけれど」
 黄忠も深刻な顔になっている。彼女も仲間達と同じことを考えているのだ。
 それで項羽の言葉を出したのである。史記にあるそれをだ。
「恐ろしい相手になったわね、さらに」
「私も遅れを取った」
 呂布に匹敵する強さを持つ関羽ですらだというのだ。
「あの妖気、どうしたものか」
「一人では無理なのだ」
 張飛がその関羽に言った。
「けれど五人ならいけるのだ」
「五人か」
「そうなのだ。鈴々達五人なら充分戦えたのだ」
 これはその通りだった。実際に五虎全員で戦い五分だった。張飛はそれを言うのだった。
 張飛のその話を聞きだ。関羽もだ。
 少しだけ微笑みになりだ。こう言うのだった。
「そうだな。一人で駄目でもな」
「五人なら勝てるのだ」
「そうだ。我等が力を合わせてだ」
「あの司馬尉を倒そうぜ」
 趙雲と馬超も言ってだ。そうしてだった。
 関羽は明るさを取り戻してだ。そのうえで仲間達に話した。
「では。最後の戦いの時はだ」
「五人であの狐を倒すのだ」
 張飛は明るかった。その明るさで関羽の心を照らしてだ。そのうえで言ったのである。
 戦士達は都に帰った。そうしてそのうえでだ。最後の決戦の準備をまた行うのだった。


第百三十一話   完


                              2011・12・16 
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