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八条学園騒動記

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第六百七十七話 虫になるその五

「ですから」
「それでか」
「すぐにです」
 まさに即座にというのだ。
「許可を貰いました」
「そうだったんだな」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「今回です」
「使ったんだな」
「そうしてです」
「あの探偵を倒したんだな」
「如何に狡猾な悪人も虫には気付かず」
 自分の悪事を見聞きされているとだ。
「それに勝てません」
「本当にそうだな、人間は幾ら凄くでもな」
「時として一匹の虫にです」
「負けるな」
「そうです、人は神ではないのですから」
 それ故にというのだ。
「強くもありますが」
「同時に弱いか」
「そうでもあります、神ならばです」
 そうであるならというのだ。
「虫に見られてもです」
「気付くか」
「それが神なのです」
 こうフックに話した。
「そして仏であり精霊です」
「そうした存在か」
「超常的な存在なのです」 
「そういうことか」
「そうした存在と人の違いの一つです」
「成程な」
「あくまで一例ですが」
 それでもというのだ。
「神仏はです」
「そうしたことに気付くんだな」
「虫のことも、そしてです」
「そちらから知られることもないか」
「何かをしても」
「それは凄いな」
「はい、神と人の違いはです」
 それはというのだ。
「こうしたことにもです」
「出るんだな」
「左様です」
 まさにというのだ。
「人はばれないと思いますね」
「一人で悪事をしてるとな」
「隠れてこそこそしていれば」
「ネットの匿名の自作自演でもな」
「ですが人が行えば」
 その場合はというのだ。
「まさに壁に耳あり障子に目ありで」
「わかるか」
「人が見ておらずとも」
 それでもというのだ。
「この通りです」
「虫が見ているな」
「そして聞いていて」
 それでというのだ。
「誰も知らないかといいますと」
「違うんだな」
「そうです」
 こうフックに話した。 
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