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八条学園騒動記

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第六百七十七話 虫になるその四

「使用は厳しく制限されています」
「国家元首の許可がないと駄目なのね」
「私はお家がマウリアの国家主席と縁がありますので」
「マハラジャのお家だから」
「ですから」
 それでというのだ。
「マウリア国家主席からはすぐにです」
「許可を得られたのね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「さらにです」
「中央政府大統領と日本の総理大臣からはどうして許可を得た」
 タムタムが問うた。
「こちらは簡単ではない筈だ」
「連合は他国ですから」
「あんたから見るとな、しかもだ」
 タムタムはさらに言った。
「連合はややこしい、中央政府大統領もな」
「何かとお仕事が多く」
「そう簡単にだ」
 それこそというのだ。
「こうしたことで許可がすぐに下りるか」
「左様ですね」
「連合の動きは全体的に遅い」
 このことはこの国が巨大であるからだけでなく民主主義であることも大きい、民主主義国家は議論を経て多数決でことを決するものだからその分時間がかかるのだ。
「しかも日本政府もとなるとな」
「そちらにもつてがありまして」 
 セーラはタムタムに答えた。
「我がシヴァ家は」
「そうなのか」
「八条家を通じて」
「ああ、この学園も経営している」
「連合屈指の企業グループの経営家でもあられる」
 セーラは話した。
「特に理事長さんと」
「うちの理事長さんって言うとな」
 フックもすぐにわかった。
「中央政府国防長官でな」
「中央政府大統領にも近いですね」
「それに日本で議員さんやっておられたからな」
「日本では防衛長官でしたね」
「日本の総理大臣のお弟子さんでな」
 だからだというのだ。
「それでな」
「はい、ですから」
「理事長さんにお話してか」
「そうしてです」
「そっちの許可も貰ったんだな」
「すぐに、事情もお話しましたし」
 そのドローンを何故使うかということをというのだ。 
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