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ハッピークローバー

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第四十二話 カレーライスを食べてその十一

「流石にいつも馬に乗らないけれど」
「今はそうした人も減ったらしいわね」
「あの国でもね」
 遊牧民の国で誰もが馬に乗っているイメージがあるがだ。
「そうだけれどあそこは馬乳よね」
「それと乳製品でよ」
「暮らしているのよね」
「それだけで暮らす時期もあるらしいから」
 モンゴルではだ。
「如何にお乳がいいかよ」
「牛乳もそれは同じね」
「だからよく飲むのよ」
「そうするわね」
 留奈もそれはと頷いた、そしてだった。
 夕食の時にカレーとサラダを多く食べてだった。
 デザートにパイナップルを食べて牛乳を飲んでから笑顔で言った。
「美味しかったわ」
「よく食ったな」
 その彼女に兄が言ってきた。
「それだけ食ったら夏バテしないな」
「自分でもそう思うわ」
「あとよく寝ろよ」
 兄はこちらも言ってきた。
「暑くてもな」
「よく寝るとね」
「疲れも取れてな」
 そうなってというのだ。
「夏バテにもな」
「いいのよね」
「だからな」
「寝ることも忘れないことね」
「俺もよく寝るしな」
 自分のことも言った。
「幾ら忙しくてもしっかり寝ろってな」
「言われるわね」
「昔の漫画家さんみたいにな」
「寝ないって駄目よね」
「徹夜で現行描いて飲んでまた描くとかな」
「それ駄目でしょ」
「それで亡くなった人もいるんだ」
 いがぐり君の作者である、明らかに身体に負担がかかってのことだ。
「だから忙しくてもな」
「寝ることね」
「ヒトラーやスターリンも寝てなかったけれどな」
「独裁者って忙しいから」
「二人共一日四時間位か」
「それだけしか寝てなかったの」
「ヒトラーは明け方まで仕事をしてな」
 このことは彼の傍にいた戦車を用いた電撃戦で知られる将軍グーデリアンの回想録で書かれている。
「ちょっと寝てな」
「また仕事ね」
「遅くても九時には起きてたらしいな」
「仕事漬けだったのね」
「だから結構独裁者も長生きしないみたいだな」
 これがというのだ。
「八十とかまでな」
「生きてないのね」
「ヒトラーは自殺したけどな」
「長生き出来なかったの」
「そうかもな」
「寝ないと駄目なのね」
「ああ、だからお前もな」
 牛乳を飲む留奈に話した。
「ちゃんとな」
「寝ることね」
「最低でも六時間寝ないとな」
「駄目ってことね」
「ああ、四時間とかだとな」
「五時間もよくないのね」
「俺は六時間寝ないとな」
 兄は自分のことも話した。 
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