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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十話 牙刀、しがらみを断ち切るのことその二

「俺達と一緒に食うか?パンをな」
「パン。包ね」
「ああ、饅頭にも似てるな」
「ならそれを頂くわ」
 微笑みだ。司馬尉も応える。そうした話をしてだった。
 彼等も食事にするのだった。闇にいる者達も食事は楽しんでいた。
 泉の中で泳ぎながらだ。黒の競泳水着の孫策がだ。白の競泳水着に尋ねていた。
 背泳ぎを二人並んでしつつだ。妹に尋ねたのである。
「そう。ほたるのね」
「はい、その様です」
「お父さんがいるのが聞いていたけれど」
「それも碌でもない輩とは」
「ここで出て来るとはね」
 少し考える顔になりだ。述べる孫策だった。
「こっちの世界に来ていることは予想していたけれどね」
「予想はされてましたか」
「あっちの世界の戦士は大抵集ってるからね」
「悪しき者達も含めてですね」
「ええ、だからね」
 それでだ。予想していたというのだ。
「そう思っていたけれど」
「しかしここで出て来るのは」
「最後の決戦で出て来ると思っていたわ」
 こうだ。真剣な顔になり妹に話す。
「今とはね。本当に」
「しかし。出て来るとなるとです」
「こちらからも誰か出そうかしら」
 泳ぎながらだ。また言う孫策だった。
「闘える娘をね。どうかしら」
「いえ、祭が言っていました」
 やはり泳ぎながらだ。孫権は姉に述べる。
「この度の戦は二人に任せるべきだと」
「牙刀とほたるになのね」
「祭に。それに小蓮も言っていました」
「そう。シャオもなの」
「はい、ここは二人に任せるべきだと」
「それは危険じゃないのかしら」
 背泳ぎを続けつつ眉を顰めさせてだ。
 そのうえでだ。孫策は言った。
「牙刀の目を潰したのでしょう?そのことを考えると」
「いえ、それでもです」
「今の二人なら大丈夫だっていうのね」
「祭は断言しています」
「そうした勘や戦力を見極めることなら祭は頼りになるわ」
 鋭い顔のままでだ。孫策は述べる。
「それならね」
「はい、二人に任せますね」
「そうするわ。それでね」
「それで、とは」
「二人に御馳走を差し入れましょう」
 孫策が二人にすることはこれだった。
「そうしましょう」
「御馳走をですか」
「ええ。牙刀はトムヤンクンだったわね」
 まずは彼の好物からだった。
「それでいいかしら」
「そうですね。ではそれで」
「それにほたるはね」
 次は彼女だった。
「あの娘はバナナクレープだったわね」
「それにチョコアイスですね」
「お菓子ね。スイーツって言ったかしら」
 あちらの世界の言葉でも言う孫策だった。
「それを差し入れましょう」
「はい、それでは」
「そういうことでね。それにしてもね」
「今度は一体」
「いや、あっちの世界から色々来てね」
 それでだというのだ。
「色々な料理の仕方がわかったわね」
「そうですね。本当にそれは」
「充実したわね」
「そのクレープやアイスですが」
「どっちもいいわね」
「かなり美味いかと」
 孫権もだ。かなり気に入っているのだった。
「病み付きになる味です」
「そうそう、本当にどっちもね」
「では差し入れですね」
 また言う孫権だった。
 
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