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ハッピークローバー

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第四十二話 カレーライスを食べてその八

「あの人の方がね」
「疑惑多いわね」
「しかも一度捕まってるでしょ」
 前科もあるというのだ。
「それ見たらね」
「怪しいなんてものじゃないわね」
「逮捕されてるからね」
 それで悪事が事実だったと確定しているからだというのだ。
「もう事実とね」
「思っていいわね」
「ああした人に投票するなんて」
 難しい顔で述べた。
「本当に変だと思うわ」
「学生運動の頃の人達は」
「革命とか言ってね」
 そして実際にそれを起こす為のテロ組織まで結成していた。
「ヘルメット被って棒持ってよ」
「テレビで観たけれど」 
 その時の映像でというのだ。
「東大占領したのよね」
「安田講堂ね」
「それで革命って言って」
「暴れていたのよ」
「その人達が今も考えを変えていなくて」
「変な人を支持してるのよ」
「そうなのね、馬鹿みたいね」
 留奈は自分が思ったことを素直に述べた。
「それって」
「そう思うのが普通よね」
「ええ、どう考えてもね」
「けれど昔はね」
「そうした考えの人が多かったの」
「今から見たら滅茶苦茶間違ってるけれどね」
 革命だのそうした主張はというのだ。
「だって選挙行ったらね」
「政権も変わるわね」
「そうなるからね」
「実際に変わったし」
「けれどそうした人達は選挙よりもね」
「革命を言っていたの」
「それで暴れ回っていたのよ」
 留奈に今はドレッシングを確認しつつ話した、スーパーで買ったものでフレンチにイタリアンにオニオンがある。
「お母さんもおかしいと思うけれど」
「その時は普通だったの?」
「まさか。あくまで一部のね」
「おかしな人達だったの」
「過激派って言われていたわ」
 当時からであった。
「何とか派とか色々分かれて」
「一つじゃなかったの」
「そうよ、どの組織がどう違うかはわからないけれど」
「何処も革命言って暴れてるんでしょ」
「どの組織もね」
「じゃあ同じじゃない」
 留奈は母の話を聞いて言った。
「どの組織も」
「お母さんもそう思うわよ」
「名前が違うだけで」
「けれどあの人達が言うには全く違って」
 それぞれの派でというのだ。
「殺し合っていたのよ」
「そうだったの」
「お互いでね」
「革命を言っていて」
「テロもやってお互いにね」
「殺し合って」
「今もそうした考えの人が残っているのよ」
 母は真面目な顔で話した。
「そしてそんな人達が支持する人達はね」
「当選させたら駄目ね」
「おかしな人達が支持する人達はまともじゃないでしょ」
「類は友を呼ぶ?」
「それと同じよ」
 この言葉と、というのだ。 
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