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泳がない時は

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第一章

                泳がない時は
 ふわりはトイプードルだけあって活発で散歩も好きで走ることも好きだ、そして泳ぐことも好きだが。
 ある日だ、彼女の飼い主である国咲家の父親である文太は彼女を狂犬病の予防接種に連れて行ってからだった。
 家に帰ってだ、妻で留守番をしていた百合子に話した。
「予防接種は絶対にな」
「しないとね」
「狂犬病になったらな」
 夫は妻に真剣な顔で話した。
「絶対に駄目だからな」
「そうよね」
「狂犬病の生きものに噛まれたらな」 
 その場合のことを話した。
「もうほぼ絶対にだ」
「死ぬのよね」
「あれはとんでもない病気だ」
「狂犬病になって助かった人いないのよね」
「助かった人もいるんだがな」
 それでもとだ、夫は妻に話した。
「数える位しかない」
「だからほぼ確実にって言っていいわね」
「ああ、死ぬ」 
 狂犬病になればというのだ。
「本当にな」
「そうよね」
「当然犬だってそうだ」
 狂犬病になればというのだ。
「確実に死ぬからな」
「危ないわね」
「それで予防接種はな」
「絶対にしないといけないわね」
「世の為人の為でな」
「ふわりの為ね」
「ああ、ただ狂犬病になったらな」
 夫は妻にさらに話した。 
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