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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその六

「お婿さんになってくれる人とだけだから」
「だからその子がなのよ」
「どう見てもちっちに首ったけだし」
「その子と手位つないであげたら?」
「それ位はいいでしょ」
「だから誰なのよ」
 心当たりがありません、それも全く。
「その子って」
「それに気付かないのがね」
「もうちっちだけれど」
「私達としてはこう言うわよ」
「手位ってね」
「あと周りを見たらわかるわよ」
「周りって。本当に私恋愛に縁がないから」
 今のところ全く、です。生まれてからそうしたことがあったことは本当に一度もありません。ブスとかチビとか言われたことはあっても。
「私そんなに顔よくないしね。小柄だし」
「小柄なのはそうだけれどね」
「ちっちって充分以上に可愛いわよ」
「アイドルになれる位よ」
「声優さんだってなれるわよ」
「声だって可愛いしね」
「そうかしら」
 よく言われますが自分ではそうは思いません、それで今も首を傾げさせました。
「私そうしたところはね」
「だから自分でそう思っていてもよ」
「ちっち可愛いのよ」
「声だってそうよ」
「小柄なのもいいし」
「好きな子はかなり好きになるわよ」
「そうは思わないけれど」
 もてるとは全く思えないです、自分では。 
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