八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百七十六話 ネットから来たその四
「碌な奴じゃない」
「そうよね」
「そんなことを言う奴は信用するな」
「悪事を指摘されて俺がやった証拠を出せとか言う奴は」
「百パーセント悪人だ、いや」
フックは己の言葉を訂正した。
「小悪党だ」
「小悪党ね」
「ベリヤは大悪人だったが」
その犯した罪の大きさからの言葉だ。
「あの頃のソ連は悪人だらけというかな」
「全員保身に必死でだ」
タムタムが当時のソ連について語った、ベリヤが生きた時代のソ連の国家元首のことを念頭に置いての言葉だ。
「その為にはな」
「悪いこともしないといけなかったか」
「粛清の実行者にもならないとな」
「逆に自分がやられていたな」
「粛清を実行してもそうなっていたがな」
それがスターリンの時代だったのだ。
「粛清に密告等をしないとな」
「生きられない時代だったか」
「そうだった、親でも密告しないとな」
さもないと、というのだ。
「本当にだ」
「自分が粛清されるか」
「そんな時代だったからな」
当時のソ連はというのだ。
「だからだ」
「悪人だらけだったか」
「汚い悪事を犯さないと生きていられない」
「当時のソ連はそうだったか」
「そうだ、だがその中でもな」
「ベリヤはだな」
「別格でな」
それでというのだ。
「大悪人だった」
「俺の言う通りだな」
「そうだった、小悪党ではなかった」
タムタムは断言した。
「屑に屑を足して屑を掛けて屑で割った様な屑だったがな」
「スケールは大きいか」
「そうだった」
「そうだよな、そのベリヤがな」
「今は訴えようとしているが」
「ネットの人間をな」
「訴えるって何人訴えるのよ」
ラビニアはこのことについて言った。
「一体」
「それはわからないがな」」
「何億人といない?」
「そうかもな」
「それだけ訴えるて無理でしょ」
それだけの数になると、というのだ。
ページ上へ戻る