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ハッピークローバー

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第四十一話 夏休み前その十

「デザインもね」
「大人しいものね」
「ブラはまだスポーツブラでね」
 上はそれでというのだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「下はね」
 ショーツはというのだ。
「露出は多くなくてちょっと前にリボンが付いてる位の」
「大人しいものなの」
「中にはもうリボンすら付いていない」
 そうしたというのだ。
「そんな大人しいね」
「下着好きなのね、実加ちゃん」
「そうなのよ」
「私と一緒ね、私は下着はね」
 一華は考える顔になって述べた。
「どうしてもね」
「白でシンプルね」
「そうしたものが一番でね」 
 それでというのだ。
「他にはピンクとかベージュを持っていても」
「大人しいものなのね」
「だからティーバックなんて」
 とてもという口調での言葉だった。
「駄目よ」
「そうなのね」
「ええ、ラインが透けなくても」
 それでもというのだ。
「無理よ」
「そこはどうしてもなのね」
「絶対にね」
「まあ私も無理ね」
 言い出しっぺの富美子も言ってきた。
「結構中南米系の娘穿いてるけれどね」
「ブラジルの娘は皆よね」 
 一華はこう返した。
「そうよね」
「ええ、ブラジルの娘はね」
「皆ティーバックよね」
「あっちはそれが普通らしいから」
「日本でも皆そうなのよね」
 ショーツはティーバックだというのだ、日本においてもそれぞれの国の特徴が出ているということだ。下着においても。
「ブラジルの娘は」
「あっちはそれが普通でも」
「富美子もなのね」
「ティーバックは無理よ、お姉ちゃんもね」
 ここでも姉の話を出した。
「持ってないから」
「美奈代さんもなの」
「お姉ちゃん派手だけれど」
 そのファッションはというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「下着は色は兎も角デザインはね」
「派手でないのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「私もなのよ」
「派手でないのね」
「色は派手でよくても」
「デザインはなのね」
「派手なのはね」
「駄目なのね」
「私にしてもね」
 一華に真面目な顔で話した。
「どうしてもね」
「じゃあ透けなくても」
「浴衣の時とかでもね」
「浴衣でも透けるしね」
「だから穿かないかでしょ」 
 下着自体を身に着けないというのだ、尚昔の着物はそうであるか湯文字や褌といった下着であった。 
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