DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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無駄な労力は控えよう
♪だっこ、抱っこ、お姫様抱っこ!♪
♪私はマリー、お姫様♪
♪だからウルフにされてます、お姫様抱っこ!♪
私はルンルン気分で勝手な歌を作り歌ってます。
だってマイダーリンがお姫様抱っこしてくれるんだもん!
もう嬉しすぎて力加減が出来ず、戦闘になると地形を大幅に変えちゃってますぅ♥
状況が理解出来ない良い子達には説明が必要かしら?
んも~う、しょうがないわねぇ~。
あのね…
メルキドの馬鹿女の情報に従い、あの町に住むジジイに魔の島へ渡る方法を聞き、精霊の祠の場所を教えてもらったから、今そこに向かってるの。
でもね、途中に広大な毒の沼地が広がってて、トラマナを使って移動してたのだけど、背の低い私には沼地移動が困難だったの。
だから優しいマイダーリンが、私をお姫様抱っこ状態で移動なの♥
「歩きにくいなぁ…魔法で何とかなんない?」
「我が儘言わないでよ!毒の沼地でダメージを負わないだけでもマシでしょ!」
相変わらずの文句の多いお父さんに、無視すれば良いのにアルルさんが一々突っかかる。
「魔法を改造するのが得意なのだから、文句があるならお父さんが何とかしてくださいよ」
「えぇ~勝手だなぁ………ウルフに抱っこされながら移動している子は、ちゃんと自分の足で歩いている真面目な人に文句言わないでよ」
文句じゃなく提案よ!
でも……
「えへへへへ…良いでしょ♡」
ウルフの首に抱き付き自慢しちゃいます!
アレフガルドの最も南に隠れる様に存在する『精霊の祠』…
やっとの事私達は到着する。
私個人は、もっと時間が掛かっても良かったけどね。
「あ~…やっと着いた………何だってこんな辺鄙な所に住んでんだよ!?馬鹿なんじゃないの?」
建物内に入ると、エルフの人が笑顔でお出迎えをしようとしていたのだが、早々にお父さんの愚痴が炸裂。
笑顔が凍り付き固まってます。
「リュ、リュカさん!失礼ですよ…」
大丈夫よアルルさん…
間違いなくワザとですから。絶対にエルフの人には気付いてましたから!
「ん?…あ、あぁ………君ここの人?」
「は、はい…ここで暮らしております」
「んじゃ…君がルビス?」
「……………いえ…私はアスカリー…この世界の創造主、精霊神ルビス様に代わり、ここをお守りしているエルフです!」
もう既にブチ切れ寸前のエルフ…名前をアスカリーさんは、敬愛するルビスの事を呼び捨てにされたのが気に入らないみたいで、“様”に力を込めて対応する。
「じゃ、ルビスは?…僕達『魔の島』に渡る方法を探してるんだよね!ルビスが協力してくれるって聞いたんだ…何処行っちゃったの?」
でも一切気にしないのが私のパパよ。
「ぐっ!…ル、ルビス様は…ゾーマの手により、とある塔に封印されてしまいました…」
彼女にとって状況は最悪なのだろう…
ここで無意味な口論を行わない様に、ひたすら無礼男に耐え話を進める。
「そ、それではルビス様の事を救わないと!」
「アスカリーさん…ルビス様が何処に囚われているのかご存じでしょうか?」
そして出張ってきたのが我がパーティーの良心、お兄ちゃんとアルルさんです。
お父さんの無礼をかき消す様に丁寧な口調でアスカリーさんに対応します。
「お、お願いしても宜しいですか!?…ルビス様はアレフガルドの北にある、『マイラ』と言う村の直ぐ西の塔に、石化されて封印されております」
アスカリーさんも気をよくしたのか、無遠慮に厄介事を押し付けてきます。
「え~………この世界を作った神様とか名乗っているクセに、封印されちゃったのぉ?ホームでアウェイの奴に負ける様な神様なんかに、何が出来るの?そんなん放っておいて、先にゾーさんを倒しちゃわない?」
う~ん…流石にフォローしきれない。
「いい加減にしなさい!ルビス様は偉大なるお方なのです!…黙って聞いていれば、先程から無礼な事ばかり…弁えなさい!」
とうとう我慢出来ずキレた。
まぁよく我慢した方だと思う。
「知らねーよ!僕の世界の神様じゃないし………そう言えば僕の世界の神様とか言われている奴も、情けない奴だったなぁ………どの世界でも、神様とか崇められている奴は、ダッせーんだな!(笑)」
お父さんは基本、神様っていう存在が嫌いなんだと思う。
「だ、黙りなさい!お、お前の世界の神などとルビス様を一緒にするな!お美しく、聡明で、お優しい方なんだぞ!」
真っ赤な顔で大激怒。
教えてあげたい…それは無駄な労力なのだと。
「え、美人なの!?どんくらい美人?アスカリーちゃんくらい?」
ほら…気にしないどころか、どうでもいい方向に話を持って行かれちゃってるし…
「わ、私など足下にも及ばない!世界…この世界だけでなく、お前の世界を併せてもナンバー1だ!」
アスカリーさんも怒りで冷静な判断を下せず、お父さんの作った流れに流されてるよ。
「違うね…世界ナンバー1は、僕の奥さんのビアンカだね!」
もうどうでもいいじゃない…
早く話を進めましょうよ…
でも、この無駄な口論は暫く続き、ルビス本人が揃ってから結論を出すという方向で何とか落ち着いた。
どうせルビスを救出するって結論に達するのだから、お父さんも余計な一言を言わなければいいのに…
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