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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その四十

「まあ普通はね」
「君主国を相手にです」
「その君主を批判することはないね」
「国の象徴ですから」
「批判してもね」
「何にもなりません、ましてや」
 批判どころかというのだ。
「誹謗中傷なぞ」
「絶対にね」
「しないです」
 それが普通だというのだ。
「あの国は大統領も言いますので」
「日本の皇室にね」
「尚悪いです」
「君主に言うことは」
「それが国家元首ならともかく」
 それはというのだ。
「よくはないよ」
「断じて」
「それでもだね」
「日本の皇室は」
「私から見ても手本にすべきだね」
「そうしたことについても」
「そのよくないことに対してね」
 王は自分の言葉を繰り返して述べた。
「そうであるなら」
「はい、私達が何を言われても」
「私自身はだね」
「悠然とされて下さい」
 それでいいというのだ。
「そのまま」
「ではね」
「そしてです」
「その手本はだね」
「日本の皇室です」
 このことでもというのだ。
「是非」
「そうしていくね」
「では」
「そのことは及ぶ様に」
 まさにというのだ。
「していくよ」
「これからも」
「是非ね、それと」
「それと?」
「今度日本の皇室の方が来られるね」
「はい、このケベックに」
 その通りだとだ、王妃も答えた。
「訪問されます」
「今上陛下の妹さんだったね」
「一番下の」
「内親王殿下だね」
「はい、そうなります」
 日本の皇室の呼び名ではというのだ。
「その方が来られて」
「そうしてだね」
「私達もです」
 ケベック王室もというのだ。
「おもてなしをさせてもらいます」
「そうなっているね」
「勿論です」
 王妃は王に笑顔で笑ってこうも話した。
「私達も」
「そうだね、ではね」
 王は王妃の言葉を受けて微笑んだ、そうしてそのうえで王妃に対して真剣さも含んだ顔でさらに言った。
「ケベック王室の全力でね」
「おもてなしをして」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「満足して頂こう」
「そうされますね」
「うん、しかし日本の皇室は」
 今度はどうにもという口調での言葉だった。 
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