八条学園騒動記
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第六百七十五話 どれだけ生まれ変わってもその十二
「つながりはない」
「それを築こうにしてもだったのね」
「これからだった」
「そこでなのね」
「お前が怪しいとな」
ラビニアを見て話した。
「気付いたからな」
「だからなの」
「それが功を奏してだ」
それでというのだ。
「あいつはここではな」
「悪事を揉み消す為に警察と関係を持とうとしても」
「その前にな」
「防がれる」
「じゃあ私がしたことって」
「大きいな」
フックは笑顔でラビニアに言った。
「そうだな」
「そうね、どうもね」
「よくやったな」
「いや、たまたまだから」
ラビニアはフックの自分を褒める言葉に謙遜して返した。
「商店街で見てね」
「そうしてか」
「怪しいと思っただけで」
それでというのだ。
「私は特によ」
「このことはか」
「特にね」
実際にというのだ。
「していないわよ」
「いや、怪しいと感じてな」
フックは謙遜するラビニアに話した。
「そして俺に言ったから今に至るからな」
「それでなの」
「お前がしたことは大きいぞ」
「そうなの」
「ああ、だからな」
「誇っていいの」
「そうだがな」
「いや、そう言われてもね」
ラビニアは今も謙遜している笑顔で応えた。
「私があいつをやっつけた訳じゃないし」
「きっかけに過ぎないからか」
「そんなにね」
それこそというのだ。
「誇ったりしないわ」
「そうなのか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「本当によく気付いたな」
気付いたこと自体についてもだ、フックは言うのだった。
「探偵が怪しいってな」
「だから目よ」
「目か」
「普通小さな女の子を見てね」
それでというのだ。
「小学校低学年位の」
「そうした娘を見てもか」
「ギラギラとなる?」
こう問うた。
「ならないでしょ」
「それはないな」
フックもそれはないと答えた。
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