八条学園騒動記
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第六百七十五話 どれだけ生まれ変わってもその八
「まさかな」
「人間に生まれ変わっていてか」
「千年の間にな、そしてな」
フックに応えつつ話した。
「俺達の近くにいるなんてな」
「思わなかったか」
「ああ、ヒトラーが生まれ変わっても画家だ」
彼が画家志望であったことから話した。
「スターリンは詩人だ」
「スターリンはそっちか」
「何でも詩人になろうと思ったこともあったらしい」
子供の頃はそうだったという。
「だが詩人になると全てを犠牲にしてな」
「詩に捧げるか」
「そうなると思ってな」
「詩人を諦めたか」
「だが今だとな」
この時代の連合のスターリンが生まれ変わってもというのだ。
「そこまでしなくてもだ」
「詩人になれるからか」
「スターリンは詩人になっていただろうな」
「その方がよかったかもね」
ラビニアはスターリンがこの時代に生まれていれば詩人になっていたと聞いてこう述べた。
「誰にも」
「そうだな」
「革命家にならずに」
「少なくとも連合だとな」
「革命家はいないからね」
「革命自体がないからな」
それでというのだ。
「スターリンもだ」
「革命家にならないで」
「詩人になってな」
子供の頃の望み通りにというのだ。
「過ごしていただろうな」
「平和に」
「しかしベリヤはな」
翻ってこの輩はというと。
「生まれ変わってもな」
「犯罪者ね」
「性犯罪に殺人とな」
「碌でもないやつね」
「あと犯罪をそそのかすしな」
「そっちの罪もあるのね」
「生きているだけでだ」
どれだけ生まれ変わってもというのだ。
「悪質極まるな」
「犯罪者ね」
「外道になるしかない」
「この時代の連合でも」
「ヒトラーの人種的偏見にスターリンのパラノイヤは兎も角な」
「それは環境でどうにもなる?」
「そうかもな」
こう言うのだった。
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