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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その三十四

「はい、ですから」
「それで、だね」
「陛下は陛下としてです」
「昭和帝を手本としながらも」
「王としての責務に励まれる」
「それがいいんだね」
「そう考えます、そして」
 王妃は王にさらに話した。
「ケベックは日本とはまた違います」
「国の事情も歴史もだね」
「そして日本の皇室ともです」
「違うんだね」
「ケベック王家はブルボン家です」
「ブルボン家としてだね」
「進まれていくべきです」
 これが王妃の言葉だった。
「陛下の道を」
「ブルボン家だね」
「そうです、フランス王家にはじまる」
「その誇りを忘れずに」
「進んでいきましょう、ただブルボン家はフランス出身で」 
 王妃は王にこうも話した。
「エウロパです」
「今もスペイン王家はそうだね」
「ブルボン家です」
「かなり遠い親戚になるね」
「祖先は同じでしたね」
「ルイ十四世にはじまるよ」
 太陽王と言われたこの王にというのだ、連合では贅沢を極め民に重税を課し戦争に明け暮れたとして評判は甚だ悪い。
「太陽王の孫のお一人がスペイン王となられ」
「そのスペイン王がですね」
「当家の始祖となるよ」
 ケベック王家のというのだ。
「だからはじまりのはじまりはね」
「太陽王ですね」
「あの人だよ、確かに評判は悪いけれど」
「始祖は始祖ですね」
「当家のね、流石に私は太陽王は学ばないけれど」
 それでもというのだ。
「ブルボン家のよき伝統はね」
「守っていかれますね」
「連合に入ってからのね」
「優雅でありですね」
「気取らず学問を愛するね」
 そうした家風をというのだ。
「それを守っていくよ」
「左様ですね」
「市民との距離がない」
 王は笑ってこうも話した。
「よく太ったとか言われるけれどね」
 王はケベック市民からよくそう言われる。
「それもね」
「笑顔で受け入れていられますね」
「うん、しかし私は実はね」
 王は王妃に困った顔になって話した。
「太っていると言われていても」
「脂肪率はですね」
「上半身も下半身も標準だよ」
 実はそうだというのだ。
「顎に肉がついていて腹が出ていてもね」
「それでもですね」
「脂肪率自体はね」
 それはというのだ、肥満のパラメーターであるそれは。
「然程だよ」
「左様ですね」
「それでもね」
「言われますね」
「残念なことにね」
「外見からですね」
 何故そう言われるか、王妃は王に明るい笑顔になって話した。
「そのことは」
「死亡率は普通でもだね」
「陛下は身体つきで、です」
 この問題でというのだ。
「その様に見られて」
「言われるんだね」
「そうです、実際の陛下は」
 数字で見ると、というのだ。 
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