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レーヴァティン

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第二百六十五話 西から去りその六

「贅沢もな」
「知ることっちゃな」
「そうも思った、俺は普通に生きてきた」
「うち等皆そうっちゃ」
「贅沢、金持ちだのセレブだのな」
「そうした暮らしはっちゃな」
「縁がなかったし興味もだ」
 それ自体がだった、実際に英雄は他人がどういった暮らしをしようが一切気にしない性分だ。自分が満足していれば他人の贅沢も貧乏も気にしないのだ。
「なかったしそれはだ」
「今もっちゃな」
「ない」
「そうっちゃな」
「だが今思ったことはな」
「贅沢を知ることもっちゃ」
「必要だとな」 
 その様にというのだ。
「思った」
「政でおもてなしをするにはっちゃな」
「それを知ることも必要だとな」
 その様にというのだ。
「今思った、知らないとな」
「何も出来ないっちゃ」
「人は何かを学んで知る」
「おもてなしもっちゃ」
「そして贅沢もな」
 これもというのだ。
「知るべきだとな、興味はなくともな」
「知識としてっちゃ」
「知ってだ」
 そしてといのだ。
「活かすべきだ」
「それでっちゃな」
「学んでいくか」
「そして久志君達をっちゃな」
「もてなしてな」
 その様にしてというのだ。
「楽しんでもらう」
「そうっちゃ、来てくれたらっちゃ」
「もてなしてな」
「楽しんでもらうっちゃ、まあ来て欲しくないのに来てっちゃ」
 愛実は笑ってこうも言った。
「遠慮なく大飯食べてお風呂入ってお布団出させて寝てっちゃ」
「図々しくだな」
「朝も大飯でっちゃ、それで帰るお客さんはっちゃ」
「親戚でも願い下げだな」
「これが毎月一回ともなるとっちゃ」
「迷惑だな」
「来る時も今日行っていいかではなくっちゃ」
 そうでなくというのだ。
「行くと言っていきなりお邪魔しますもなくっちゃ」
「上がり込んでか」
「そんな風で人の部屋に勝手に入って本を漁る様ならっちゃ」
「もてなすべきではないな」
「玄関に箒を逆さに立ててっちゃ」
 その様にしてというのだ。
「見せてやるべきっちゃ」
「京都風だな」
「嫌な客だから帰れと」   
 その様にというのだ。
「それか最初にぶぶつけをっちゃ」
「食べるかどうか言うことだな」
「親戚でもっちゃ」
 そうであってもというのだ。
「そうすべきっちゃ」
「そんな客はな」
「もてなすことなんてっちゃ」
「しないことだな」
「若し甘い顔をしたらっちゃ」
 愛実は顔を顰めさせて話した。 
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