星河の覇皇
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第八十二部第三章 国債の発行その二十四
「我々も多忙であっても」
「お互いにそうですね」
「暇な貴族がいるのか」
エウロパ、この国のというのだ。
「それはもうです」
「答えは出ていますね」
「その様な貴族はいません、ましてや今のエウロパは」
「連合を超えるべく発展を目指しているので」
「ですから」
国家を挙げてそうなっているからだというのだ。
「最早です」
「暇な者はいませんね」
「誰一人として」
まさに国家総動員体制であるといっていい、今のエウロパはまさに全国民が常に働いている状況だ。
そうした状況だからだ、ローエンハイムも言うのだ。
「それこそ」
「そして今男爵もです」
「非常にですか」
「ご多忙ですが」
「文化もですね」
「楽しまれています、夜は観劇に」
それにというのだ。
「毎朝早く起きられて水泳をされているとか」
「水泳ですか」
「それがお好きとのことで」
それでというのだ。
「そうされています」
「スポーツもですか」
「貴族は騎士ですね」
シェリーニはローエンハイムにエウロパのこの考えも述べた。
「騎士ならばです」
「身体を常に鍛えるもの」
「ですから」
「お身体もですか」
「毎朝水泳をされて」
そうしてというのだ。
「鍛えられています」
「立派な方ですね」
「全く以て」
「貴族は身体を鍛え」
「文化を楽しむ」
「そうして領民を守る」
「エウロパも」
そうしたことがというのだ。
「貴族の務めですから」
「当然のことですね」
「そうしたことも」
「男爵の様にされることも」
二人でケーキとワインを楽しみつつ話す、だが。
ここでだ、シェリーニはローエンハイムにこうも話した。
「ですが男爵はペレアスは」
「その歌劇はですか」
「噂に聞いただけですが」
それでもというのだ。
「お好きではないとか」
「そうなのですか」
「合わないとです」
「男爵にはですか」
「そう言われたことがあるとか」
その様にというのだ。
「聞いています」
「そうなのですか」
「確かに難解で」
それでとだ、シェリーニはまたこの作品について話した。
「わかりにくい作品です」
「そして音楽的にもですね」
「癖が強く」
それでというのだ。
「好き嫌いもです」
「非常にですね」
「出てしまうので」
聴く者によってというのだ。
「これもです」
「仕方ないですね」
「そう思います」
「そして男爵も」
「その様です」
ペレアスとメリザンド、この歌劇はというのだ。
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