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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その十八

「何処をどう言いつくろっても」
「言いつくろいだけですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうでしかないもので」
「悪意だけがある」
「表現の自由すらもですね」
「表現の自由と悪意は別です」
 そうなるというのだ。
「それを芸術に昇華せず」
「只の下品な政治プロパガンダなり何なりなら」
「それはもう、ですね」
「芸術作品ではなく」
「只のガラクタですね」
「全く以て」
 そうした代物に過ぎないというのだ。
「幼稚園児がお遊戯の時間で作った様な下らない代物が」
「芸術昨比なら」
「最早芸術に対する冒涜です」
「表現の十ですらない」
「そこをわかっていないとですね」
「芸術を語ることは出来ません」
「風刺と言えば許されるか」
 表現の自由、それにというのだ。
「違います」
「愚か者が政治漫画を描いてもただ下品な誹謗中傷になります」
 風刺どころかというのだ。
「それと同じで」
「芸術はですね」
「前衛芸術でも」
 この時代でも理解に困難が伴うとされている分野である、それはピカソやマグリットやダリ以上であろうか。
「そこには何かしらありますが」
「下品な政治プロパガンダでしかないものは」
「何でもないです」
「全くですね」
「そこがわかっていないものもあります」
 二人で話した、そうしてだった。 
 二人共ステーキを食べ終えた、ここでシェリーニはローエンハイムに対して少し苦笑いになってこんなことを言った。
「いや、流石にです」
「ステーキまで食べるとですね」
「はい」 
 これがというのだ。
「もうそろそろとなりますね」
「私もです、この店は量もです」
「考慮されていますか」
「はい、お客様に満足して頂く」
「満腹感という方でもですね」
「そう考えられていまして」
 それ故にとだ、ローエンハイムはシェリーニに話した。
「この通りです」
「量もですね」
「あります」
「そういうことですね」
「ですから」
 ローエンハイムもワインを飲んだ、それからまた言った。
「後はデザートですが」
「途中にパンも食べていますし」
「そうです、これでです」
 そのデザートでというのだ。
「終わりです」
「左様ですね」
「その最後ですが」
 ローエンハイムはデザートの話もした。
「それはです」
「何でしょうか」
「ケーキですが」
「只のケーキではないと」
「ボリュームもあり」
 この店の方針でそうなっていて、というのだ。
「そしてです」
「味もですね」
「非常にいいので」
 それでというのだ。 
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