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ハッピークローバー

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第三十九話 合コンが終わってその十三

「本気で向かってきたらね」
「人間じゃ勝てないんだね」
「トイプードルだってね」
 可愛いと評判のこの小型犬もというのだ。
「ちゃんと牙あるし元々狩猟犬だし」
「狩猟犬なの」
「そうだよ、飼い主が撃った水鳥を獲って来る為の犬だったんだ」
「そうだったの」
「お水の中に入ってね」
 そうしてというのだ。
「獲って来る為のね」
「狩猟犬だったのね」
「だから活発で動きも速くて」
 狩猟犬だけあってというのだ。
「気も強いよ」
「外見は可愛いのに」
「うん、元々プードルは大きいしね」
「そうなの」
「スタンダードプードルはかなり大きいよ」
 この種類のプードルはというのだ。
「それがどんどん小さくなってトイプードルになったけれど」
「トイは小さいね」
「そうした意味だね」
「ええ、元々のプードルは大きいのね」
「それが愛玩用になって」
「小さい方が可愛いっていうことで」
「トイプードルが生み出されたけれど」
 今話している犬がというのだ。
「元々狩猟犬だったから」
「活発で気が強いのね」
「それで強いよ」
「小さくても」
「そう、飛び付いてくるしね」
 こうしたこともしてくるというのだ。
「小さいとかえって的が小さいし」
「攻撃しても当たりにくいのね」
「そうだよ、おまけに素早くてジャンプもするから」
 こうしたこともあってというのだ。
「案外強いんだ」
「小さくて可愛くても」
「案外強いんだ」
「本当に意外ね」
「意外でもね」
 一華がそう思ってもというのだ。
「これがね」
「そうした子なのね」
「自分より十倍は大きな犬にも向かうし」
 それだけの大きさの違いがある犬にもというのだ。
「その大きな犬が大人しかったら」
「大きな犬の方が逃げるのね」
「同じ犬でも狩猟犬と牧羊犬じゃ性格が違うよ」
「同じじゃないの」
「違うよ、狩猟犬は生きものに襲い掛かって捕まえることもあるよ」
 それも仕事のうちだというのだ。
「プードルも撃たれた水鳥がまだ生きていたらね」
「それを捕まえて飼い主のところに持っていくから」
「お水に落ちてもまだ暴れてる相手でもね」
「だから強いのね」
「けれど牧羊犬はね」
 こちらの種類の犬達はというのだ。
「牧場で羊を守って誘導する」
「それがお仕事よね」
「だからね」
 それでというのだ。
「羊泥棒とかが来ない限りね」
「戦わないのね」
「狼でもね、そういうのが出て来たら」
 その場合はというのだ。
「思いきり吠えて威嚇いたりその声で飼い主に来てもらう」
「そうしたことがお仕事ね」
「だからね」
 それでというのだ。
「狩猟犬と比べたらね」
「大人しくてもいいのね」
「そうなんだ、だから大きくても」
 その身体がだ。 
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