| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六百七十四話 そっくりだったその五

「あいつはな、そもそもソ連の秘密警察はチェーカからはじまるが」
「そこからGPU、NKVD、KGBになっていったな」
 フックが言ってきた。
「確か」
「創設者はジェルジェンスキーだが」 
 実はロシアや他のソ連の構成国の出身ではない、ポーランドの貴族階級の出身であった。当時ポーランドの一部はロシア領だったがそこは違ったのだ。
「清廉潔白で私はなかった」
「そんな人だったの」
「そして粛清を行ってもな」
 無実の者の頭に剣を落としても躊躇するなとも言ったという。
「沈痛な顔だったらしい」
「楽しんではなかったのね」
「ソ連の為に必要と思ってだ」
「やっていたのね」
「むしろそうした人間の方がだ」
 ジェルジェンスキーの様な考えの者がというのだ。
「秘密警察では多かった」
「つまり汚れ仕事の担い手だな」
 フックはここまで聞いて言った。
「そうだな」
「そうだ、その認識でだ」
「働いている人が多かったんだな」
「ハイドリヒは平気だったがな」
 ヒムラーの腹心そして最大の政敵であった彼はだ。
「どんなことをしてもな」
「自分の出世の為にか」
「眉一つ動かさずどんなこともしたが」
「それも例外か」
「そうだ、ハイドリヒもそうでだ」
 冷徹、冷酷、残忍、狡猾と言われた彼もだ。
「ベリヤもだ」
「例外か」
「あいつは秘密警察のトップでなくともだ」
 この職務を抜きにして考えてもというのだ。
「犯罪者だ」
「そうなるな」
「幼女でも誰でもな」
「手を出してだな」
「下衆なゲームさえしていた」 
 ベリヤのフラワーゲームの話もした。
「あれもな」
「下衆だな」
「下衆な犯罪だ」
「小さな女の子を無理矢理だからな」
「しかも時には殺してだ」 
 自分の手でそうしてというのだ。
「死体を焼いたりしていた」
「暴行、淫行、殺人に死体遺棄か」
「それも何人もだからな」
 だからだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧