八条学園騒動記
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第六百七十四話 そっくりだったその四
「その探偵のおっさんの顔ベリヤだぞ」
「おい、ベリヤか」
「ああ、特徴聞くとな」
フックに真剣な顔で答えた。
「あいつの顔そのままだ」
「そういえばそうね」
ラビニアはタムタムのその言葉を聞いて仰天した顔で語った。
「あの顔は」
「お前は見たから余計に言えるな」
「ええ、実際にね」
「ベリヤだな」
「その顔よ」
「黒髪でだな」
「かなり白くなってるけれど元はそうだったってわかったわ」
ラビニアもその通りだと答えた、ベリヤはジョージアの少数民族出身でアジア系であったのだ。尚スターリンもアジア系であった。
「全体的にアジア系の血が濃いね」
「そうした顔立ちだったか」
「団子鼻で彫はなくてね」
「まさにアジア系の顔だな」
「それで白いものが多くなった髪の毛は前からだな」
「きてたわ」
薄くなっていたというのだ。
「そうなっていたわ」
「それで眼鏡でだな」
「鼻眼鏡で目はね」
「もう感情が見られないか」
「異様な目だったわ」
「そこまでいくと間違いないな」
タムタムは確信を以て語った。
「ベリヤだ」
「その顔ね」
「最低最悪のロリペドでだ」
「シリアルキラーで」
「秘密警察のトップだったな」
「最低最悪の屑野郎ね」
「あいつが屑なのは役職じゃない」
秘密警察のトップだったことではないというのだ。
「それならあらゆる国のだ」
「秘密警察のトップはなの」
「屑だ、確かにヒムラーは屑だったが」
ヒムラーと並び称される秘密警察のトップだった彼はというのだ。
「しかしな」
「それでもなのね」
「私生活は案外質素でだ」
それでというのだ。
「真面目で愛人はいてもな」
「ベリヤみたいなことはしなかったの」
「残虐な拷問や虐殺も行ったが」
ベリヤと同じことをしたというのだ。
「だが楽しんではだ」
「していなかったのね、ヒムラーは」
「ベリヤは自分で拷問や処刑を見てだ」
「楽しんでもいたわね」
「そうもしていた」
「それで小さい女の子も手にかけていたのね」
「そうだった」
実際にというのだ。
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