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八条学園騒動記

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第六百七十三話 腐れ外道の顔その十五

「当時他の要人でもいたらしいが」
「粛清対象になっていたの」
「そのことを知ってな」
 ベリヤがというのだ。
「殺される前にだ」
「殺してしまえなのね」
「倫理観なぞないからな」
 そもそもというのだ。
「主を裏切ることもだ」
「有り得るのね」
「それでスターリンが倒れた時にな」
 まさにその時にというのだ。
「首を絞めたというし」
「ああ、その時を逃さずに」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「的外れな治療をさせたらしい」
「そうして暗殺したの」
「そうらしいな」
「つくづく悪い奴ね」
「そうだな、しかしな」
 それでもとだ、フックは話した。
「あまりにも悪事が過ぎてそうした性格だったからな」
「嫌われていたのは間違いないわね」
「信用されずな」
 そしてというのだ。
「警戒されてだ」
「それでなのね」
「スターリンに粛清はされなかったが」
 それは乗り越えたというのだ、この時首相でありソ連の外交を主導していたモロトフも危うかったという。
「残った面々にだ」
「そうされたのね」
「一瞬の隙を衝かれてな」
 そうなってというのだ。
「捕まえられて裁判にかけられてだ」
「死刑ね」
「そうなった、必死に泣き叫んで命乞いをしたが」 
 それでもというのだ。
「銃殺となった」
「自業自得の結末ね」
「そうだな、外道の結末はな」
「そんなものよね」
「そうだ、碌なものじゃない」
 こうラビニアに話した。
 そしてだ、ここで二人共食べ終わった。そうして言った。
「じゃあタムタムにな」
「話してなのね」
「三人で観るか」
「それじゃあね」
 ラビニアも頷いた、昼食を食べつつそうした話をした、そして二人のこの話が大きな事件の発見につながるのだった。


腐れ外道の顔   完


                    2022・6・24 
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