レーヴァティン
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第二百六十四話 神託に頼るその六
「かなり激しく苦しいな」
「辛い戦いになるな」
「そうなる」
久志に話した。
「そのことはお前もだな」
「わかってるさ」
「覚悟をしているな」
「ああ、神様だからな」
海の魔神もというのだ。
「最初からな」
「わかっていたな」
「お前と同じだろうな」
久志にこうも言った。
「そのことは」
「その通りだ、そして神のことを最も知るのはな」
「神様だな」
「そうだ、人間ではだ」
「知るにしてもな」
「限界がある」
「それでも神様ならな」
「知っている」
よく、というのだ。
「俺達よりも遥かにな」
「やっぱりそうだよな」
「人間の力なぞ知れている」
英雄はこうも言った。
「何でもないと言い切れる位だ」
「ちっぽけだよな」
「知っている奴にこんな奴がいる」
英雄は表情を変えずに述べた。
「神はいない、宗教は信じないと言っている奴がな」
「無神論者ってやつだな」
「そして頼るのは自分の力のみとも言っているが」
それでもとだ、英雄は話した。
「日本の皇室や自衛隊はなくせと言って北朝鮮はいい」
「あの国をかよ」
「あの国の世襲制の共産主義はな」
この本来なら有り得ない国家システムを採用している国をというのだ、共産主義は世襲を否定しているがだ。
「あちらの国民が支持しているからいいとな」
「そんな筈ねえけどな」
「そうだな」
「あそこの国民あっちじゃ人民と言うな」
「支持以外に言えないな」
「あんな独裁国家でな」
言論は完全に統制されていてだ。
「そんなことも知らないでか」
「それしか言えない言論統制化の独裁国家だからな」
「思想統制されていてな」
「しかもそれで共産主義でもないが」
「いいって言ってるんだな」
「日本の皇室を否定してな」
「そんな頭の出来で自分の力だけで生きていける筈かよ」
久志は言い切った。
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