恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十八話 一同、泉で泳ぐのことその九
「それは本当に意外だな」
「けれど本当にただ遊ぶだけで」
「何かを賭けることはしませんでした」
言ったことは絶対に守るクラウザーだった。
「そのことは確かです」
「絶対にしませんでした」
「ならいいんだけれどな」
馬超は二人のその言葉を聞いてまずは納得した。
「旦那もそこはちゃんとしてるんだな」
「はい、ですから安心して遊べました」
「ポーカー自体は」
「それはいいことだ」
趙雲は二人のその話を聞いて微笑んで応えた。
「楽しめたのならな」
「はい、そうさせてもらいました」
「お蔭で楽しい時間を過ごせました」
クラウザーのそのせこさを見たとはいってもだというのだ。
そうした話をする二人だった。その横ではだ。
荀彧がだ。ここでもだ。
ピンクのワンピース姿だが水には入らずにだ。石の上で体育座りをしてだ。褌姿の覇王丸と飲んでいた。そうして言うだった。
「やっぱりね。楽しくっていったらね」
「酒なんだな」
「お酒は百薬の長よ」
こう言いながら飲むのである。そしてだ。
自分の前にいてやはり飲んでいる董卓にも言う。董卓は大人しい、淡い紫のセパレーツである。所々にフリルもついているものだ。
「それはそうとよ」
「はい、私ですよね」
「ええ。あんたも飲めたのね」
「お酒は大好きです」
大人しめの微笑みでだ。答える董卓だった。
「飲んでいると何かそれだけで」
「そうよね。楽しくなるのよね」
「荀彧さんがお酒好きだとは聞いてましたけれど」
「そうよ。大好きよ」
自分でもそのことを隠さない。そうしてだ。
もう一人いるだ。ズィーガーにこんなことを言ったのだった。
「それでズィーガービール造ってるけれど」
「あれですね」
「あれもいいわよね」
こうだ。米の酒を飲みながら話すのである。
「美味しいわ。麦のお酒もね」
「そうです。ビールは全ての父であり母なのです」
ズィーガーは笑わないがそれでも言う。
「だからこそ飲むべきなのです」
「それで造るのね」
「何でしたら製造方法をお教えしますが」
「あっ、それお願いできる!?」
「よかったら」
荀彧も董卓もだ。ズィーガーのその言葉にだ。
思わず顔を向けてだ。そうして応えたのである。
「私もビール造って飲みたいから」
「是非お願いします」
「ちょっと、月は気をつけてよ」
その彼女にだ。いつも一緒にいる賈駆が眉を顰めさせて注意してきた。彼女は董卓と同じデザインだが色は濃い紫のセパレーツを着ている。
その賈駆が董卓に注意することとは。
「ただでさえ身体弱いんだし」
「うん、だからなのね」
「お酒は控えてよね」
心から心配する顔での言葉だった。
「そこはね」
「そうよね。健康第一だから」
「そう。お酒は飲み過ぎると駄目なの」
その点を強く言うのだった。
「だから。今もこれ位にしてね」
「えっ、大丈夫よ、まだ」
「何言ってるの、もう顔真っ赤じゃない」
「お酒飲んだらこうなるものだから」
「けれど駄目なものは駄目なの」
賈駆の言葉は強い。
「わかったわね」
「うう、まだ大丈夫なのに」
「月はそう言っていつも飲み過ぎるじゃない」
完全に妻になっている賈駆だった。
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