それは口裂け女

　　　　　　　　　　　　　　　　それは口裂け女
　田所佳緒里は学校で自分が持っている鏡を出して外見をチェックしていた、濃く太い眉に大きなはっきりとした目でだった。
　顎の先が尖った顔に白い肌黒く胸まである波がかった髪の毛に一六二程の背に大きな胸と尻を持っている。黒い短くしたプリーツスカートと赤のベストとブレザー、青いネクタイと白いブラウスの制服である。
　通っているその高校の制服の状況もチェックしつつだ、こう言ったのだった。
「ううん、これでいいかしら」
「まあいいでしょ」
「結構決まってるわよ」
「メイクも髪の毛もね」
「制服の着こなしもね」
「そうだといいけれど、今日学校終わったらね」
　佳緒里はクラスメイト達に話した。
「合コンだしね」
「それだと決めていかないとね」
「彼氏ゲットのチャンスだし」
「それだとね」
「だから今日は特に決めたけれど」
　クラスメイト達にこうも言った。
「決まってるならね」
「それでよし」
「そうね」
「そう言うのね」
「こういう時あれよね」
　佳緒里は今も鏡で自分の外見をチェックしている、そうして言うのだった。
「言うことってね」
「言うこと？」
「言うことっていうと」
「私いけてるとか」
　こう言うのだった。
「私奇麗？とかね」
「いや、今の台詞はアウトよ」
　クラスメイトの一人、諸星彩花が言ってきた、一六五程の背ですらりとしている。面長できりっとした顔で茶色にした髪の毛をショートにしている。
「絶対に言ったら駄目よ」
「あれっ、駄目なの」
　佳緒里は彩花の今の言葉にきょとんとした顔で応えた。
「私奇麗って言ったら」
「聞いたらよ」
　そうしたらというのだ。
「アウトよ」
「そうなの」
「それあれじゃない」　
　彩花はさらに話した。