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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二十六話 ロック、狼を知るのことその五

 そのうえでだ。こう言うのだった。
「とにかくじゃ。揚州の者なら胸は大きいのじゃ」
「あれっ、けれどそうじゃない娘もいるけれど」
 孫尚香はやはり鋭かった。それでだ。
 ここでだ。彼女の隣にいたあかりが言うのだった。
「周泰ちゃんとか呂蒙ちゃんとは胸ないで」
「むう、その者達を言うか」
「呂蒙ちゃんなんか中もそうやし。ついでに言えばちっちゃいし」
「あれは別人じゃぞ」
 黄蓋はさりげなく呂蒙の秘密を隠そうとする。
「ほれ、名前が違うぞ」
「そっくりさんが五十近くおってもか?」
「そうじゃ。例えばシャオ様にしてもじゃ」
 黄蓋は孫尚香をちらりと見て話す。
「気のせいじゃ。色々な世界にいるのはな」
「兄嫁とかやな」
「あれは別人なのじゃ」
「ついでに言うとシャオ結婚はしてないからね」
 彼女自身はどうなのだ。
「他の世界じゃともかく」
「そういうことじゃ。まあ色々ある」
 その辺りはあえて言わない様にだと話す黄蓋だった。
「だからじゃ。中身の話は御主も色々あるしのう」
「うちかて漢字から平仮名になったさかいな」
「そうじゃ。まあとにかくじゃ」
 黄蓋は話題を変えてだ。そうしてだった。
 孫尚香にだ。また言うのだった。
「胸は安心してよい、ついでに言うと背もな」
「姉様達みたいになるのね」
「成長すればなる」
 それは間違いないというのだ。
「さすればシャオ様もよき伴侶と巡り会える」
「だったらいいけれどね。胸ね」
「遺伝を信じられよ。さすればよくなる」
 黄蓋は微笑み話した。
「胸については心配はいらぬ」
「うん、じゃあ楽しみにしてるね」
 孫尚香は黄蓋の話をここまで聞いてだ。笑顔になりだ。
 そうしてだ。こう言うのだった。
「胸が大きくなるその時をね」
「そうされよ。シャオ様はまだまだこれからじゃ」
 成長していくというのだ。これからさらにだ。
 そんな話をしていた。そしてロックはだ。
 今は飯屋で飯を食べていた。この国の料理をだ。
 相席していたのは猛獲達だ。まずは猛獲が彼に言ってきた。
「ロックは何かいつも考えているにゃ」
「そうにゃ、何か深刻だにゃ」
「それが気になるにゃ」
「何を考えているにゃ?」
 トラ、ミケ、シャムも彼に尋ねる。色々と食べながら。
「悪い奴じゃないのはわかるにゃ」
「けれど何か陰があって気になるにゃ」
「一体何を考えているにゃ?」
「ちょっとな」
 やはり陰のある感じで返すロックだった。 
 麺を箸で食べながらだ。彼は猛獲達に言うのである。
「俺の親父のことは知ってるな」
「ギースにゃ?」
「あいつは相当悪いことをしてきた奴にゃ」
「感覚でわかるにゃ」
「ああ、あいつは根っからの悪党だ」
 それはロックも知っていた。それもよくだ。
「そして母さんと」
「何か色々あったのはわかるにゃ」
 猛獲は包を食べながら述べた。
 そしてだ。ロックにこう言うのだった。
「けれどあれにゃな。やっぱり親子にゃ」
「似てるか」
「ロックはテリーにも似てるにゃ」
 こうも言う猛獲だった。
「そしてテリーとギースもにゃ」
「!?」
 猛獲の今の言葉にだ。ロックは眉を動かした。
 そしてだ。こう言うのだった。
「そうだな。言われてみれば」
「気付いたにゃ?美衣も最近気付いたにゃ」
「トラは気付かなかったにゃ」
「ミケもにゃ」
「シャムもだにゃ」
 三人はこれといって困っていないといった感じで述べた。
 
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