イベリス
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第七十話 尊敬と軽蔑その七
「やってみたらいいわ」
「そうなのね」
「あんたもね」
咲を見て笑顔で話した。
「これもいいものよ」
「お母さんも座禅したことあるの」
「あるから言うのよ」
まさにという返事だった。
「心がすっきりして澄み切ってね」
「いいのね」
「変なカルトのお話聞くよりも」
「座禅ね」
「そうよ」
これだというのだ。
「それをする方がね」
「いいのね、ただね」
「どうしたの?」
「うちって禅宗だったかしら」
今言った自分の言葉にもだ、咲は疑問を呈した。
「お父さん違うこと言ってた様な」
「お母さんの実家、母方がよ」
「お祖母ちゃんがなの」
「そう、あちらは禅宗でね」
「お母さんも関りあるのね」
「そうなの、それで座禅をね」
これを組むこともというのだ。
「悪くないわよ」
「少なくともカルト教団の教え聞くよりいいのね」
「だから何かあったらね」
「座禅組むのもいいのね」
「それでお経読むこともね」
こちらもというのだ。
「いいわよ、本当に変な宗教団体よりね」
「仏教はいいのね」
「仏教はおかしな教団少ないしね」
「あるにはあるのね」
「どの宗教でもおかしな人はいるから」
それでというのだ。
「仏教でもね」
「そうした人達がいるのね」
「宗派でね、けれど禅宗はね」
「臨済宗も」
「おかしくないから」
「お話を聞いてもいいのね」
「悩みごとがあったらお話してもね」
こちらからというのだ。
「そうしていいのよ、あと天理教もね」
「ああ、うちの学園の理事長さんのお家が信仰してる」
「八条家ね」
「それでうちの学校でも有名ね」
「あんたの学校大学だと宗教学部あるでしょ」
「八条大学はね」
自分が通っている高校の上にあるそちらの話もした、咲の通っている学校は八条学園高等部東京が正式名称で八条高東京が通称であるのだ。
「そうよ」
「そこで色々な宗教の資格も取れるのよ」
「そうだったの?」
「そうよ、お坊さんにね」
こちらにというのだ。
「神主さんに天理教の会長さんに」
「天理教もあるのね」
「あとカトリックの神父さんに」
それにというのだ。
「プロテスタントの牧師さんもね」
「神父さんと牧師さんって違うのよね」
「そうよ、日本じゃ同じものに思われていても」
キリスト教の聖職者だとだ。
「またね」
「別のものね」
「日本じゃ同じに思われているけれど」
「全く違うのね」
「あそこはそれで戦争になってるでしょ」
「カトリックとプロテスタントで」
「そう、宗派の違いでね」
まさにそれでとだ、咲に話した。
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