八条学園騒動記
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第六百七十二話 朝はそうなったその七
「まさにじゃ」
「そうですよね」
「その仕事に向いてなくても他の仕事ではどうか」
「わからないですからね」
「ある程度適性検査はしてもな」
それでもだ、この時代でも。
「やはりやってみないとな」
「人間何に向いていて向いてないかわからないですね」
「そうしたものであるからな」
「その仕事で失敗して即座に処刑じゃ」
「すぐに誰もいなくなってな」
「組織として終わりますね」
「実際ソ連は戦争には勝った」
革命に勝ち残り第二次世界大戦にもそうなった、そうしてソ連はアメリカに対抗する超大国と言われる様になった。
「しかし人がな」
「片っ端からそうしていって」
「しかも犠牲を顧みない政策と戦争の仕方でな」
「滅茶苦茶死んで」
「超大国になったが」
それでもというのだ。
「その実はな」
「人がいなくなったんですか」
「それでボロボロになっておった」
「だから崩壊したんですね」
「その後の政策もよくなかったが」
ブレジネフ時代の停滞とアフガン侵攻の失敗が大きかったという。
「人が死に過ぎてな」
「ボロボロになっていて」
「それもかなり大きかった」
「やっぱりそうなりますね」
「うむ、しかし規律というかスターリンの命令はな」
「絶対だったんですね」
「異議を言うことすらじゃ」
反対どころかというのだ。
「出来なかった」
「鋼鉄みたいですね」
「そうであった、野上君は蛮行を言っておるな」
「はい、それで言ったんですが」
野上君もまさにと答えた。
「違いますか」
「それはしてよかったからな」
「強盗の集団みたいですね」
「しかし逆らうと即座に命はないからな」
「きちんとはしてましたか」
「うむ、ただものがなくてな」
ソ連軍は大戦中常に物資不足に悩んでいた。
「軍服もかなりな」
「悪くてですか」
「見てくれは悪かった」
「そうだったんですね」
「そして蛮行の限りであったからな」
その酷さはこの時代にも伝えられている。
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