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八条学園騒動記

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第六百七十二話 朝はそうなったその五

「嫌われたくないならな」
「そう思うならですね」
「尚更じゃ」
「言わないことですね」
「最悪でもな」
「文句はですね」
「そうじゃ、そこでも痩せ我慢をしてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでじゃ」
「最悪でも何も言わないことですね」
「クールにな、それが人としての礼儀でな」
「礼儀を守ることもですね」
「ダンディズムじゃ、文句ばかり言って何も出来ない何もしないというのはな」
「マッドサイエンティストとしてですね」
「失格じゃ、マッドサイエンティストは紳士であり」
 これは絶対にというのだ、博士はそのマッドサイエンティストとして野上君にその在り方を話していった。
「ダンディでじゃ」
「あるべきですか」
「何があってもな」
「無理してでも」
「絶対にな、クールであってな」
「感情もですね」
「激しいものはな」
 そうした種類のものはというのだ。
「何があってもな」
「見せないことですね」
「そうじゃ、ただキザに見えてもな」
 それでもというのだ。
「わしはよいと思っておる」
「キザでもですか」
「ダンディとクールは違うと言うが」
「どう違うんですか?」
「どんな時でもクールであるとな」 
 それならというのだ。
「ダンディでな」
「そうでないとキザですか」
「それでキザでもじゃ」
「いいんですね」
「恰好をつけておるならな」
 それならというのだ。
「そして礼儀を守っておるならな」
「キザでもいいですか」
「クールさは失っても恰好をつけようと意識しておれば」 
 例えそうなってもとだ、博士はトーストにバターを塗りながら話した。
「クールさはすぐに問い戻す」
「恰好つけるって意識してやるものですね」
「意識するとな」
「そこで自分を取り戻しますか」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。 
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