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彼女の勘違い

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第二章

「岡田と話してた時だね」
「その時聞いたから」
「あれどっちかだよ、ほら言われて怒るとか喜ぶとか」
「それ?」
「そうだよ、叩かれて気持ちいいとかね」
 そうしたことはとだ、雄大は答えた。
「僕はないよ」
「そうだったの」
「そうだよ、叩く趣味もないよ」
 こちらもというのだ。
「言っておくけれど」
「そうだったの」
「そうだよ、それは言っておくよ」
 雄大は奈々に強く言った。
「本当にね」
「私の勘違いだったのね」
「そうだね、そういうのはノーマルだから」
 雄大は強く断った。
「わかってね」
「ええ」
 奈々も頷いて応えた。
「覚えたわ」
「うん、ただお風呂場でするのは好きだから」
 雄大はここであらためて笑って言った。
「だからね」
「今からね」
「お風呂入るしどうかな」
「ええ、それじゃあね」 
 奈々も今度は笑顔で応えた。
「一緒にね」
「入ろうね」
「二人でね」
 鞭や蝋燭を収めてそうしてだった。
 奈々は雄大と共にバスルームに入った、そしてそこで二人で楽しんだ。もう叩くとかそうしたことは何処かに行ってしまっていた。
 そして風呂場から出てだ、奈々は雄大にパジャマ姿で言った。
「鞭や蝋燭はどうしようかしら」
「買ったのかな」
「ええ、通信で」
「仕方ないな、じゃあネットオークションでもかけて」
「売る?」
「蝋燭は置いていいけれど鞭はそうしよう」
 後始末の話はこれで終わった、その上で二人仲良く同じベッドで眠った。


彼女の勘違い   完


                     2022・9・27 
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