仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五百九話 歌も歌いつつその十一
「誰もが弱い、けれどな」
「それでもですね」
エディータが応えた。
「弱くとも」
「ああ、強くもあるんだ」
「それが人間ですね」
「自分は弱い、その弱さを自覚すれば」
それならとだ、風間はエディータにさらに話した。
「はじめて強くなれるってな」
「風間さんもおわかりになられましたか」
「ライダーとして戦っているうちにな」
「そうだったんですね」」
「ふむ。そうでおじゃるな」
近衛は静かに飲みつつ言った、公家化粧を落とした彼はかなりの漢気のある感じの美形であり密かに注目されている。
「風間殿の言う通りでおじゃる」
「先生もそう思われますか」
「そうでおじゃる、人は自分の弱さを知ってこそ」
近衛は義景に話した。
「そこからでおじゃる」
「強くなれますか」
「麿も過去そうしたことがあったでおじゃる」
「それでなのですね」
「風間殿の言葉に頷けるでおじゃる」
「そうですか」
「そうでおじゃる」
こう言うのだった。
「まことに」
「あの、それはいいのですが」
木野愛はその子の絵に言った。
「一つ気になることがあります」
「何でおじゃるか」
「近衛さん今化粧を落としてますよね」
木野愛が言うのはこのことだった。
「ではその口調はおかしいのでは」
「確かに。この時は公家ではない」
近衛はその指摘を受けて口調を変えた、そのうえで応えた。手にある杯も何処か武家の持ち方を思わせるものになった。
「忘れていた」
「そうでしたね」
「公家化粧の時は麿であるが」
それでもというのだ。
「この時は私か俺だ」
「忙しいな、近衛さんも」
サキはそんな近衛を見て思った。
「何かと大変だな」
「いや、そうでもない」
近衛はそれはと返した。
「私の普段だからな」
「それでか」
「公家化粧はあくまで公務の時の姿」
「普段はか」
「こうして素に戻っている」
「その方がずっと恰好いいけれどな」
「実は近衛先生強いんだよ」
義晴はこのことを話した。
「運動神経抜群でな」
「人を教え導くのだ」
道三は腕を組んで豪語した、浴衣姿がかなり似合っている。
「確かな人材を用いねばならん」
「それでか」
「左様、近衛先生も宇喜多先生も松永先生も確かだ」
そうした人材だとだ、道三はサキに答えた。
「多少癖のある人間性かも知れんが」
「いや、癖あり過ぎだろ」
美炭ルイスはそこはと突っ込みを入れた、ただ姿勢は正座で酒を飲む手も下品ではない。
「おっさんの人選は」
「そうであるか」
「生徒もな」
「個性も大事にしておるからな」
「だからか」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
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