刺激のあるものは駄目

「いいな」
「ああ、わかってるしな」
　洋介にしてもだ。
「絶対にやらないさ」
「犬のご飯はね」
　母も言ってきた。
「やっぱりね」
「ああ、ドッグフードだよな」
「そうよ、それをね」
「あげるといいな」
「ええ、ご飯をあげることは」
　これはというと。
「実はね」
「あまりよくないんだったな」
「猫も同じでね」
　こちらの生きものもというのだ。
「猫まんまっていうけれど」
「ご飯の上に鰹節かけたあれか」
「お醤油たらしてね」
「あれもよくないんだな」
「そうよ、ましてやお味噌汁をかけたのはね」
　ご飯にというのだ。
「塩分がきついから」
「食べさせたら駄目だな」
「猫もそうでね」
「犬もだな」
「だからよ」
「犬はドッグフードか」
「それが一番よ」　
　こう息子に話した。
「覚えておいてね」
「わかってるよ」
　息子はそれはと答えた。
「本当にな」
「そこは気を付けてな」
「私達皆ね」
「人間だって食うものは大事だ」
「それは犬もよ」
　二人で息子に言う。
「だからよ」
「ふわりについてもだ」
「そうだよな、葱はな」
　洋介は考える顔になって話した。
「ラーメンに欠かせなくて身体にもな」
「いいな」
「人間にはね」
「けれど犬にはな」
　またふわりを見て言った。
「違うんだな」
「生きものの種類が違うとだ」
「それは変わるわ」
「人間もドッグフード食うとよくないな」
「食べられてもね」
「まずいらしいな」
　洋介は食べたことがないのでこう言った。
「フレークみたいかっていうとな」
「また違うぞ」
「ドッグフードはドッグフードよ」
「そうだよな」
　二人の言葉に頷いた、そうしてだった。
　ふわりにはドッグフードをあげた、すると。
　ふわりはドッグフードを美味しそうに食べた、一家でラーメンを食べつつそんな彼女を見て自然と笑顔になった。


刺激のあるものは駄目　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２２・９・２４