八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその十六
「楽しんでもいるよ」
「だから人間とずっといるか」
「何万年もの間」
「そうしているんだ」
この世の中でというのだ。
「ずっとね」
「そう思うとな」
「博士って悪人じゃないね」
「迷惑でもな」
「そこまではいかないね」
「博士を悪人って言う人いないね」
連合にはとだ、野上君は大ジョッキで豪快にビールを飲みぷはあ、と酒臭い息を吐き出してから二匹に問うた。
「そうだね」
「言われてみればな」
「殆どいないね」
「歩く迷惑とか災害とか言われて」
「お騒がせ人物でもね」
「悪人とは言われてないね」
「何でも悪を為すには大悪を為せで」
博士はそうした考えでというのだ。
「それでよく悪人と言われる連中は嫌いなんだよね」
「そうそう、小悪党は気に入らんとかな」
「そうしたことを言ってね」
「それで殺すんだよな」
「いつもね」
「そうしているからね」
だからだというのだ。
「博士は悪人かっていうと」
「違うな」
「言うなら災害だね」
「災害に感情はあるか」
「善悪で区分出来るか」
それはとだ、二匹もホルモン系を食べつつ話した。
「それはな」
「災害にそう言うとかな」
「ないからね」
「そうだからね」
野上君は鉄板、下から熱を出しているそこに肉を置いていった、そうして焼きながらそうして言うのだった。
「特に一般市民を殺さない」
「そこが大きいよな」
「施設も破壊しないことが」
「軍人やお巡りさん達もだしね」
彼等もというのだ。
「大怪我にさえさせないから」
「だからだな」
「皆博士を嫌わないね」
「しょっちゅう警察は来るけれどね」
犯罪を起こしたからである。
「相手にしてないしね」
「そうだよな」
「博士警察ガン無視だよね」
「もっと捕まえられる相手じゃないしな」
「人間にはね」
「もうあそこまでいくとだよ」
野上君は焼いた肉を食べつつ言った、そしてビールを大ジョッキ一・八リットルのそれを注文してから話した。
ページ上へ戻る