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八条学園騒動記

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第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその十三

「思うよ」
「そうだよな」
「幾ら何でも憎み過ぎだね」
「何があってもな」
「悪意の桁が違うよ」
「それはそう思うよ、ただ嫌って軽蔑するんじゃなくて」
 それに止まらずというのだ。
「心の底から悪意を持って」
「そう考えてるとな」
「かえって駄目だね」
「うん、あまりそうした感情は持つものじゃないしね」
 悪意と言われる類のものはというのだ。
「確かにそのお祖母さんは馬鹿だよ」
「だよな」
「太り過ぎはよくなくてもね」
「そんなこと言うとな」
「後で真相はわかるからね」
「馬鹿にされてな」
「嫌われるよ」
 二匹もこう話した。
「それで他にも色々あったにしても」
「嫌い過ぎだろ」
「幾ら何でもね」
「精神病院に叩き込んでそこからもなんてな」
「人の行いは何でも返ってきてね」
 そうなってというのだ。
「悪い行いには報いがあるよ」
「そうだよな」
「世の中そんなものだね」
「けれどね」
 それでもというのだ、野上君はステーキ用の肉を焼肉に使ったそれを食べつつそのうえでビールをまた飲んだ。
 そうしてからだ、また言った。
「嫌い過ぎるのもね」
「限度は超えるな」
「そういうことだよね」
「何でもそうであってね」
「人を嫌うにしてもな」
「限度があるね」
「特にマイナスの感情はね」 
 それはというのだ。
「生きているとどうしても持ってしまうけれど」
「あまり持つものじゃない」
「そうしたものでね」
「それがあまりにも強いと」
「問題だな」
「そうだよ」 
 実にというのだ。
「マイナスの感情は毒だから」
「そうした感情持ってる時出す息なんてな」
「毒だっていうしね」
「それが強いとな」
「猛毒だね」
「その猛毒がいつも頭にあってね」
 そうなっていてというのだ。
「心を支配して身体にも及ぶから」
「よくないんだな」
「身体にも」
「そうだよ、病は気からっていうけれど」
 この時代でも言われることである。 
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