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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第十二幕その八

「蛸も鱧も」
「そのどちらもね」
「どうしてもね」
「それがないから」
「だからね」
「余計に美味しく感じるよね」
「うん、それにお寿司もあるね」
 先生はテーブルの上のこの料理も見ました、見れば鮪や鮭、ハマチに海老に鰻にと様々なネタがあります。
「こちらもいいね」
「天麩羅もあるしね」
「豪勢よね」
「日本にいる」
「そう実感出来るね」
「そうだよね、お食事にも満足出来るよ」 
 本当にというのです。
「この式は」
「全くだね」
「とてもいいよ」
「じゃあ皆で食べよう」
「心から楽しんでね」
「是非ね」 
 鱧のお吸いものを食べてでした。先生は皆にさらにお話しました。
「お二人もお食事にも喜んでおられるしね」
「何しろお好きなものだから」
「それでだよね」
「楽しんでおられるね」
「心から」
「そうだね、それとね」 
 先生は今度は鱚の天麩羅を食べて言いました。
「お酒もいいよね」
「日本酒だね」
「上等のお酒だからね」
「こちらもいいね」
「先生も楽しんでおられるし」
「日本に来てこのお酒のよさもわかったから」
 日本酒のそれもというのです。
「今も飲ませてもらうよ」
「お二人に乾杯だね」
「お二人のダイアモンド婚式に」
「六十年一緒にいられたことに」
「そうするんだね」
「そうだよ、心からね」
 先生はこう言ってお酒も飲みました、そして実際に乾杯の仕草をしました。その後で笑顔で言いました。
「人の幸せが肴のお酒は最高だよ」
「先生いつもそう言うわね」
 ポリネシアがここでこう言いました。
「人の幸せは最高の調味料とかね」
「それで今は肴だね」 
 ダブダブも言います。
「そう言って人の幸せを喜ぶね」
「それも先生のいいところだね」
「そうよね」
 チープサイドの家族もお話しました。
「人の幸せや業績を素直に喜ぶ」
「嫉妬なんかしなくてね」
「先生って嫉妬しないからね」
 ジップも先生のそのことについて言います。
「本当にいつも喜ぶね」
「妬んだりひがんだりしない」
 ホアイティも言います。
「素直に喜ぶって素晴らしいことだよ」
「他の人が立派なことをしてもおめでとうよね」
 こう言ったのはガブガブでした。
「そう思えたらその人も幸せよね」
「実際に先生は思えるからね」 
 だからだとです、老馬は言いました。
「幸せだね」
「妬んだりひがんだりしたらね」
「それだけで不幸せだよね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。 
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