八条学園騒動記
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第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその十二
「それでお孫さんに言ったけど」
「そのお孫さん今どうしてるんだよ」
「その人を徹底的に馬鹿にして嫌ってるよ」
「やっぱりそうなるか」
「何かと問題あるお婆さんだからね」
それでというのだ。
「お孫さんいつも追い出そうと動いてるよ」
「追い出すのかよ」
「親戚全員からね」
「老人ホームに入れるつもりかね」
「いや、精神病院に放り込むつもりだよ」
野上君はそのカルビを食べながら答えた。
「老後を穏やかに過ごせる場所じゃなくて」
「キチガイにして放り込むつもりか」
「そうなんだ」
「そりゃまた徹底的に嫌ってるな」
「だからそんなことを言うとね」
「自分のお孫さんにそこまで嫌われるんだな」
「それもただ入れるんじゃなくて」
それで済まずにというのだ。
「極端に酷い扱いをする様にね」
「病院に言うんだな」
「そうするんだね」
「そう考えているよ」
「それはまた随分嫌われてるな」
「悪意全開じゃない」
二匹もそこまで聞いて思った。
「血を分けた肉親だっていうのに」
「そこまで嫌うか」
「まあそんな馬鹿な嘘吐いたらね」
「嫌われて馬鹿にされるけれどな」
「そのお孫さん嫌い過ぎだね」
「幾ら何でもな」
「それ以外にも色々とあったんだよ」
野上君はホルモンを食べながら答えた。
「だから嫌い抜いてね」
「憎んでるか」
「そうなんだね」
「それでそこまで悪意を持っていて」
それでというのだ。
「そこまでするんだ」
「成程な」
「悪意を持たれるだけのことがあったんだ」
「それでもういつも親戚中にあることないこと言い回っていて」
自分の祖母のそれをというのだ。
「精神病院に放り込んで」
「そこで地獄の苦しみを与える」
「そうしようとしているんだ」
「そうなんだ、ただ悪意があるのは事実で」
「それもかなりだな」
「恐ろしい位に強いね」
「流石に悪意を持ち過ぎだとはね」
野上君が見てもだ。
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