| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十話 条約を結びその十二

「それも躊躇なく」
「だから同じだっていうんだね」
「考えは違えど行いが同じならです」
「その行いを見てだね」
「対するべきであります」
「そうなるんだね」
「どちらがより悪いかは哲学的な考えであり」 
 それでというのだ。
「充分考えるべきことです」
「考えることはいいんだね」
「そうであるかと、そして政ならば」
 そこから考えると、というのだ。
「行いが同じならであります」
「その行いを見てだね」
「対するべきであるかと」
「そして処罰もだね」
「人を殺したなら殺人罪でありますね」
「そうだね」
 剛もそれはと答えた。
「確かに」
「詐欺にしても」
「そして煽ったりしてもだね」
「考えがどうあれ」 
 悪事を為す輩のそれが違えどというのだ。
「それでもであります」
「行いがどうかだね」
「そうであります、政ならであります」  
「行いを見ることだね」
「哲学は考えを見て」
「政は行いを見るものだね」
「そうではないかと」
 剛に日本酒を飲みつつ述べた。
「それで、であります」
「今そう言ってるんだね」
「そうであります」
「成程ね、しかしね」
「しかしとは」
「いや、僕はね」 
 剛は語った。
「人間じゃないともね」
「思うでありますか」
「卑劣醜悪を極めたら」
 そうなればどいうのだ。
「今話してる連中って物凄く卑劣だよね」
「そうでありますな」
「そして醜悪だよね」
 卑劣なだけでなくというのだ。
「人を何とも思わないで自分の為だけにどんなことでもする」
「まさに卑劣の極みで、であります」
「そして醜いからね」
「人間でなくなっているでありますか」
「人間堕ちきると」
 そうなればというのだ。
「もうね」
「人間でなくなるでありますか」
「そうなるってね」 
 その様にというのだ。
「僕は思うよ」
「それじゃあ何かっていうとね」
 桜子は刺身、所謂てっさを食べつつ言った、見ればぽん酢ではなく山葵醤油で食べて楽しんでいる。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧