イベリス
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第六十六話 感染症の怖さその二
「平家もああならなかったかもね」
「平家の絶対的な人だったから」
「頭が切れて統率力もあって人望もあってね」
「凄い人だったのよね」
「頼朝さんよりもずっといい人だったし」
「私頼朝さん大嫌い」
「私もよ」
二人はこのことでは意見が一致した。
「というか好きな人いないでしょ」
「そうよね」
「それで清盛さんもよ」
「マラリアで命を落としていて」
「怖い病気だから」
それ故にというのだ。
「やっぱり充分以上によ」
「注意しないと駄目ね」
「そうよ、マラリアにペストに天然痘にインフルエンザはね」
この四つの病気はというのだ。
「人類の敵だったからね」
「インフルエンザもなのね」
「スペイン風邪とか入れて考えたらね」
一次大戦末期から世界を脅かしたこの感染症はというのだ。
「物凄いからね」
「インフルエンザも怖いのね」
「もう天然痘はなくてね」
ジェンナーが発見した牛痘が世界に広まった結果である。
「ペストもね」
「ほぼないわね」
「まだあるけれどね、ペストは」
「あるの」
「ちらほら聞くわよ」
世界で発生しているというのだ。
「本当に少しだけれどね」
「あるのね、まだ」
「そうよ、けれどまあ大丈夫ね」
「ペストのことは」
「天然痘とそれはね」
「ほぼ心配ないのね」
「ええ、けれど怖い病気であることはね」
このことはというのだ。
「覚えておいてね、そして病気自体がね」
「注意が必要ね」
「海外旅行の時もね」
この時もというのだ。
「そうしてね」
「わかったわ」
咲は愛のその言葉に頷いた。
「そうするわ」
「狂犬病にも蚊にもね」
「どっちもなのね」
「他にも赤痢とかコレラもあるから」
こうした病気の話もした。
「注意してね」
「そうした病気も」
「そうよ、兎に角感染症にはね」
「注意しないと駄目ね」
「そうしてね、旅行についてはね」
「感染症に注意ね」
「あとお水ね」
これにもというのだ。
「こっちも感染症と関係あるけれど」
「ああ、お水の中にね細菌が一杯あって」
「だから熱消毒してね」
つまり一旦沸騰させてから飲むのだ。
「飲んだりするのよ」
「そうしないと危ないのね」
「日本でも生水は危ないから」
自分達がいる国でもというのだ。
「飲まないことよ」
「水道水でないとね」
「だから生水飲むよりは」
それよりもとだ、愛は咲に話した。
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