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夢幻水滸伝

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第二百五十三話 兎族の仙人その三

「僕が」
「はい、そうです」
「そうして頂けませんか」
「郭様はこれまで多くの街や村を救われています」 
「それぞれの問題を解決されています」
「それで、です」
「我々は郭様ならと確信しました」 
 こう郭自身に言うのだった。
「我々をよく治めてくれてです」
「そして世界を救うことも出来ます」
「だからです」
「ここはお願いします」
「我等の棟梁になって下さい」
「僕やとか。僕はこれまで誰かの上に立ったことはないが」
 それでもとだ、郭は民達の切実な声と目を見て言った。
「本気で頼んできてるしな」
「はい、その通りです」
「これまでの郭様を見てです」
「そのうえでお願いしています」
「そうしています」
「そうやな、その願い受けた」
 郭は決心した、そのうえで民達に答えた。
「これから潮州を拠点としてや」
「旗揚げをされますか」
「そして我々を治めて頂けますか」
「その様にして頂けますか」
「そうするわ、そしてな」
 郭はさらに言った。
「まずはこの広東省を統一するかその前に福建省も治める様にするか」
「そうして頂けますか」
「ではお願いします」
「我々の棟梁になってです」
「治めそして世界もお救い下さい」
「そうするな」
 こう言ってだった。
 郭は旗揚げし潮州を拠点として本格的な統治に入った、旗揚げすると広東省東部の街や村が次々と降ってきた。
 郭は忽ちのうちに広東省東部の大半を掌握した、しかし。
 ここでだ、郭は潮州の市庁舎で腕を組み周りの役人達に話した。
「広州の辺りは何か凄いな」
「それぞれの街や村がせめぎ合っていますね」
「まさにそれぞれで」
「この広東省はあの辺りが中心ですが」
「最も栄えていますが」
「比較的狭い場所で群雄割拠やな」
 そうなっているというのだ。
「ほんまに」
「そして戦も起こっています」
「その狭い中で」
「そうなっています」
「そやな、あそこに入るにはな」
 それにはとだ、郭は考える顔になって述べた。
「確かな勢力になってな」
「それからですか」
「そのうえで入りますか」
「そして掌握するのですね」
「そうしたい」
 こう言うのだった。
「少なくとも今はな」
「その時ではない」
「そうなのですね」
「今は」
「今は潮陽まで加わったけどな」
 それでもというのだ。
「あそこまで勢力を拡大させてくにしても」
「入るのは慎重に」
「そうしていくのですね」
「広州とその周辺の掌握は」
「ああ、あと香港やマカオとも手を結んでな」
 独立勢力であり星の者がそれぞれいるこの二つの都市の話もした。 
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