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夢幻水滸伝

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第二百五十三話 兎族の仙人その二

「まあそういうことでね」
「困った状況か」
「ええ、この村も隣村と揉めてまして」
 そうなっていてというのだ。
「川の水のことで」
「水の取り合いか」
「ええ、下手したらです」
「戦にもなるな」
「そんな状況です」
「川の水の取り合いなんかせんでええ」
 郭はカウンターで紹興酒を飲みその中にいるコボルトの親父に言った。
「どうせ境やろ」
「はい、村と村の」
「区切りがええしな、そんなん水道にしてや」
「水道ですか」
「やったらええねん、水ひいてな」
「その技術はあるんですか?」
「あるから言うてるねん、専門職やないが頭の中に知識が出てきた」
 紹興酒を飲み肴に豚肉と野菜と共に炒めた豆腐を食べつつ話した。
「それに基づいてやってええか」
「知識が出てきたとは」
「後で話すわ、兎に角な」
「今からですか」
「こっちの村にも隣の村にも川から水道造ってな」
「その水道を使ってですか」
「水で揉めん様にするわ」
 親父に淡々とした口調で話した。
「それでええか」
「そうしてくれますか」
「今からな。揉めることはないわ」
「そうですか」
「ほなやるわ」 
 こう言って飲んで食べ終えるとだった。
 郭は早速二つの村の村人達を集めて両方の村に川から水道をどう引いてどう使うかを話した、そうして彼等と共にだった。
 二つの村の水の問題といざかいの元をなくして争わない様にした、すると二つの村の者達は彼を讃えた。
「いや、有り難うございます」
「お陰で水に困らなくなりました」
「飲み水にも農業に使う水にも」
「これは助かりました」
「何とお礼を言えばええか」
「これ位何でもないわ、ただ周りの街や村の仲が悪いな」
 郭は自分を褒め讃える村人達に話した。
「それも収めたいな、それぞれの問題を」
「そうされるのですか」
「そうお考えですか」
「潮州もな」
 この辺りで最も大きな街であるこの街のこともというのだ。
「揉めてるな」
「あちらは中で二つのヤクザ者の組織があって」
「シマを巡って争っています」
「そうなっています」
「その潮州もな」 
 そちらもというのだ。
「収めたい、ほな他の街や村を巡ってな」
「収めていかれますか」
「厄介ごとを」
「そして平和にされますか」
「ここだけやなくてな、ほな行って来るわ」
 郭は微笑んで言ってだった。
 周辺の街や村を巡ってそれぞれの問題を解決していった、そして。
 潮州に入るとだった。
 暴れ回り抗争を繰り返している二つのヤクザ者の組を術に神具を使ってそのうえで戦い倒した。そそうして警察に突き出してことを収めた。
 そうしてあちこちの問題を解決するとだった。
 民達は彼に対して強い声で言ってきた。
「あの、よかったらです」
「旗揚げしてくれませんか」
「我々を治めてくれませんか」
「そうしてくれませんか」
「旗揚げか」
 郭はそう聞いて少し驚いた声をあげた。 
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