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ウルトラマンカイナ

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外星編 ウルトラホピスファイト partFINAL

 
前書き
◇今話の登場メカ

◇BURKクルセイダー
 BURKセイバーの後継機として開発された制式主力戦闘機であり、GUYSガンクルセイダーを想起させる曲線的なフォルムが特徴。単座式と複座式の2種類が存在している。ウルトラマンザインが地球に降着した頃から本格的に実戦配備されていた機体であり、弘原海や駒門琴乃をはじめとする多くのパイロットが搭乗していた。
 ※原案は魚介(改)先生。


※こちらのイラストはたなか えーじ先生に有償依頼で描いて頂きました! 地上の基地から飛び立つBURKセイバーと、その発進を見送る駒門琴乃の姿を凛々しく描いた珠玉の1枚! たなか先生、この度は誠にありがとうございました!
 

 
 ――かくして、死の惑星ホピスを戦場とする激闘は幕を下ろし。弘原海率いるBURK惑星調査隊は、1人の犠牲者も出すことなく地球への帰還を果たしたのだった。

 だが、現地のホピス星人がすでに絶滅していたことや、キングジョーの残骸がミラリウムウェーブによって消失したこともあって、地球人側が得られた情報はごく僅かであり。そこから推測される内容も「不明瞭な点が多く、民衆の不安を悪戯に煽るだけ」と判断されたため、調査結果が正式に報道されることはなかった。

 ウルトラマンと一体化していた士道達も「分離」の際に記憶を消去されていたため戦闘内容を全く覚えておらず、記録上は「洞窟の崩落を受けてのショックによる部分的な記憶喪失」となっている。

 惑星ホピスの滅亡も、キングジョーとの死闘も公にされないまま。惑星調査隊は人知れず、その役目を終える形となったのである。

 そして――この調査隊に参加していた全隊員は解散後、各々の原隊に復帰。それから約数年間に渡り、世界中で活発化し始めた怪獣災害に立ち向かって行くことになる。

 ウルトラアキレス、暁嵐真(あかつきらんま)。ウルトラマンザイン、椎名雄介(しいなゆうすけ)。ウルトラマンエナジー、覇道尊(はどうたける)。ウルトラマンアーク、八月朔日要(ほずみかなめ)。そしてウルトラマンジェム、荒石磨貴(あらいしみがき)
 彼ら5人が紡ぐ、輝かしい英雄譚の影には常に――元調査隊メンバー達の勇姿があったのだ。

 時にはBURKガンを手に地上から怪獣を銃撃し、またある時は戦闘機のパイロットとして、上空から怪獣を攻撃する。そんな「名も無きBURK隊員」の1人として、彼らはウルトラマン達の戦いを支え続けたのである。

 リーゼロッテをはじめとするBURKセイバー隊の女傑達も、後に弘原海や琴乃が搭乗することになる次期主力戦闘機「BURKクルセイダー」の開発計画に参加。同機のテストパイロットを務め、怪獣達との戦いに大きく貢献していた。
 彼女達が築き上げた運用データはそれだけに終わらず、後に開発されていく様々な新型航空機に活かされて行くことになる。ドイツ支部、フランス支部、エジプト支部、スペイン支部、イタリア支部、中国支部、アメリカ支部、そして日本支部の戦闘機は特に、彼女達が齎したデータによって飛躍的な発展を遂げていた。

 そして、ホピス星の戦いから5年半後に起きたテンペラー軍団との最終決戦を制し、この地球が真の平和を掴み取った日まで。彼らはどれほど傷付こうとも、誰1人として戦死することなく、「終戦」まで生き残って見せたのだ。

 部下達の生還を何よりも願っていた弘原海の精神が、彼らにただならぬ「生への執着」を齎していたのである。
 どれほど苛烈な戦火の中に立たされようと、彼らは弘原海の言葉を胸に、生きるための戦いを遂行し続けていた。恐らくはその信念が、終戦の日まで彼らを導いていたのだろう。

 ――ウルトラアキレスが地球の守護を担っていた頃に起きた最後の戦闘で、負傷による「名誉除隊」を余儀なくされた八木夢乃と、身寄りがない彼女を介護するためにBURKを退いた望月珠子を除いて。
 全ての戦いを終えた彼らは今、怪獣災害によって破壊された各地の都市を巡り、復興に尽力している。

 ウルトラマンカイナの地球降着から始まった、6年間にも及ぶ長い戦争の日々は終わりを告げた。だが、地球の人々の笑顔と未来を守らねばならないBURKの戦いは、ここからが本番なのだ――。

 ◇

 ウルトラマンカイナを筆頭とする新生6兄弟と、テンペラー軍団の最終決戦。その死闘に終止符を打つ舞台となった東京の都心部では、多くのBURK隊員達による復興作業が進められている。
 長きに渡る戦乱の序章とも言える、恐竜戦車地球降下事件から6年。その歳月を経て、ようやく平和を掴み取った地球の未来は今、彼らの働きに委ねられているのだ。

「そろそろ休憩だ、皆! 水分と塩分の摂取を怠るなよッ!」
「このリーゼロッテ様の部下が熱中症だなんて、世に示しが付きませんからねーっ! 体調管理が万全でない者は、早退の刑に処しますっ! 不調の報告を怠った者は、救急搬送の刑ですよーっ!」

 その中には――ドイツ支部のリーゼロッテとヴィルヘルミーナを筆頭とする、元調査隊メンバー達の姿もあった。

 ウルトラマンとしての記憶を失ってからも、BURK隊員の責務を全うせんと戦い抜いて来た男達。BURKセイバーからBURKクルセイダーに乗り換えてからも、強かに生き延びて来た女傑達。
 かつてホピス星の戦いに参加していた彼らは今日も、炎天下の中で瓦礫の撤去作業を続けている。彼らの頭上を翔ぶ曲線形の制式戦闘機――BURKクルセイダーの編隊も、上空で定期パトロールに励んでいた。その光景と夏の青空を仰ぐ劉静とクーカは、共に微笑を浮かべている。

「……僕達が開発に関わったあのBURKクルセイダーが、今や世界中に配備され、この空を守っている。これまでの月日を思うと、感慨深いものがあるね」
「ま、そのBURKクルセイダーもそろそろ『型落ち』なんだけどな。琴乃から聞いた話だと、例の新型試作機のテスト……もう始まってるらしいぜ?」
「日本支部の『BURKビートル』にアメリカ支部の『BURKイーグル』、そして我が中国支部の『BURK爆龍(バオロン)』……か。まさかあの『お漏らしお嬢様達』が、最新鋭機のテストまで任されるようになるなんてね」

 アメリカ支部戦闘機隊隊長、アメリア。ロシア支部戦車隊隊長、イヴァンナ。中国支部爆撃機隊隊長、凛風。イギリス支部艦隊司令官、オリヴィア。フランス支部歩兵隊隊長、エレーヌ。今や駒門琴乃と共に新生BURKの女傑として名を馳せている、彼女達5人の新人時代と、その当時の醜態を知る劉静とクーカは、感慨深げに頷いていた。

 この2人をはじめ、かつて調査隊に参加していた隊員の多くは、すでにこのような現場作業に出るべきでは無い立場に出世している。中にはイタリア支部やスペイン支部、エジプト支部の戦闘機隊を率いている隊長の姿もあった。

 だが、テンペラー軍団との戦いで壊滅的な打撃受けた東京の街を前に、じっとしていられるような者達ではないのだ。ホピス星の時でもそうだったように、彼らは己が信じる為すべきことにのみ、目を向けている。

 士道剣。
 鶴千契。
 手力握人。
 多月草士郎。
 木場司。
 荒島真己。
 叶亥治郎。
 日ノ出新。
 氷川雄一郎。
 前田力也。
 シゲタ。
 リーゼロッテ。
 ヴィルヘルミーナ・ユスティーナ・ヨハンナ・ルーデル。
 アリア・リュージュ。
 ラウラ・"クーカ"・ソウザ・サントス。
 アルマ・フィオリーニ。
 劉静。
 ナターシャ・ジャハナム。
 エリー・ナカヤマ。

 彼らは皆、眩い日差しの下で毎日のように瓦礫の排除に勤しんでいた。バリケードの向こう側からその様子を眺めている通行人達は、日々汗を流している彼らに笑顔で手を振っている。

 BURK内でも屈指の美男美女揃い……ということもあり、民間人の男達は女傑達の美貌とプロポーションに釘付けになり、その肉体から漂う芳醇な色香に喉を鳴らしていた。柔肌を伝う甘い汗から漂う香りに、男達は思わず鼻の下を伸ばしている。
 若い女性達は男達の鋭い眼差しや逞しい二の腕に目を奪われ、その頬を伝う汗に生唾を飲み込んでいた。離れていても本能が反応してしまうほどの精強な雄のフェロモンが、鍛え抜かれた彼らの肉体から滲み出ている。

「あ、見て見て! 今日もあの人達、作業で来てるよ……! やっぱイケてるよねー、あの人達! ねぇねぇ、ちょっと一緒に写真撮ってもらおーよ!」
「やめときなよ、邪魔になるし危ないでしょ。姉さん、『映え』に命懸け過ぎ。また炎上したって知らないからね」
「えーいいじゃん減るもんじゃないしっ! あんなに男のフェロモンむんむん出しておいて、撮るのもダメだなんてもはや新種の当たり屋じゃんっ! しかもBURK隊員なんて今や超絶勝ち組のガチエリートなんだし、あわよくばワンチャン……!」
「姉さん……話聞いてた? 命張って地球を守ってくれた人達に対して失礼でしょ、早く学校行くよホラッ」
「しょ、しょんなぁ〜……私の目の保養がぁあ〜……!」

 黄色い声を上げながら、日ノ出達に携帯のカメラを向けようとする薄着の女子大生と、そんな姉を嗜めている怜悧な女子高生。
 どちらも(・・・・)男達を目当てに現場近くの通学路を利用しているらしく、きゃあきゃあと騒ぐ女子大生に気付いた日ノ出達は「またあの子達だよ」と顔を見合わせていた。この2人――沢宮(さわみや)姉妹は都内でも有名な美少女であり、最近はモデルとしても活躍しているのだが、芸能界に疎い日ノ出達には知る由もないことであった。

 ――ウルトラマンカイナが初めて地球に現れた、恐竜戦車地球降下事件に端を発する6年間もの戦乱。その暗黒時代を経た現在においては、BURKの隊員は誰もが憧れる「英雄」の職業として称賛されるようになっていた。
 かつては税金泥棒などと謗られていたBURKは、6年間にも渡る戦争を経て劇的に再評価されたのである。その頃を知っている世代であるが故に、日ノ出達は女子大生達の様子を複雑な表情で見守っていた。

「あ、あのっ! 何かお手伝い出来ることってありますか!? 私、BURKさんのお役に立ちたいんですっ!」

 そんな中。バリケードの向こう側から、隊員達に声を掛けて来る小学生の少女が現れた。恐らく、彼女も通学中なのだろう。溌剌と目を輝かせている彼女は、ぴょんぴょんと地を蹴って艶やかな黒髪を揺らしている。

「……もう役に立ってくれてるさ。君がそうやって応援してくれたおかげで、俺達もいっぱい元気が出る。いつも、ありがとうな」
「はっ……はいっ!」

 純粋な憧れに胸を躍らせている彼女の姿を微笑ましげに見遣っていた士道剣は、片膝を着いて彼女の目線に合わせると、その頭を優しく撫でていた。その掌の温もりと、華やかな微笑に思わず頬を染める少女は、顔を真っ赤にしながら学校に向かって走り去って行く。

「ちょっと士道、幼気な女の子の男性観を軽率に歪めないでくれる? さっきのあの子、耳まで真っ赤だったわよ」
「え……? いきなり何の話だよ。……でも、顔は確かに赤かったよな。背の低い子供ほど熱気の影響を受けやすいんだから、熱中症対策はきちんとしていて欲しいんだが……。夏休みも近いんだし、念のため後で近隣の学校に注意喚起しておくか。アリアも水分はこまめに摂れよ」
「……それ、どういう意味かしら」

 少女の様子からその心中を察していたアリアは、ため息を吐いて戦友の腰を叩くのだった。士道より50cmも背が低い彼女では、その位置がやっとだったのである。一方、自分が「しでかしたこと」に全く気付いていない当人は、アリアの苦言にも小首を傾げていた。

「あのっ! お、俺もBURKに入れてくださいっ! 俺、どうしてもBURKに入りたいんですっ!」
「こ、こらダメだよ! 皆さんお仕事中なんだから、邪魔になっちゃう!」

 ――その頃、別のバリケード付近では。小学生ほどの幼い少年が身を乗り出して、作業中の荒島達に声を掛けていた。そんな弟の肩を掴んで制止している女子高生の姉は、荒島達の視線に気付き、ぺこぺこと頭を下げている。

「……」

 そんな2人の前に無言で歩み出して来たのは、鶴千契だった。彼は士道と同様に片膝を着いて少年に目線を合わせると、その鋭い眼で少年の瞳を射抜いてしまう。だが、少年は怯みながらも決して目を逸らすことなく、鶴千と視線を交わし続けていた。

「……なぜ、そこまでBURKに入ることを望む。何がお前をそうさせている」
「お、俺は……姉ちゃんを守りたいんですっ! 父ちゃんと母ちゃんが怪獣災害で死んでから、姉ちゃんはずっとバイト漬けで……! だから俺、早くBURKに入って、姉ちゃんに楽させてやりたいんですっ!」
「……そうか」

 かつて、姉を怪獣に殺された者として思うところがあったのだろう。鶴千は少年の言葉を聞き終えると、BURK隊員の証である胸のバッジを迷いなく外し、それを少年の胸に付けてしまう。
 その行為に姉や少年が瞠目する中、鶴千はゆっくりと立ち上がり、踵を返していた。そんな彼の行動に、見守っていた荒島達は「やれやれ」と苦笑を浮かべている。

「あ、あの、これっ……!」
「その覚悟があるならば、お前はすでにBURKの一員だ。故にこれより、先任隊員としての命令を伝える。……姉ちゃんを守れ」
「……!」
「そしていつか、お前が大人になった時……そのバッジを返しに来い。BURKの門を叩いてな」
「はっ……はいっ!」

 感極まり、ぼろぼろと涙を零す姉に抱き締められながら。少年は鶴千から託されたバッジを握り締め、力強く声を上げる。
 そんな彼に背を向け、表情を見せないように立ち去って行く鶴千は――優しげな微笑を浮かべていた。そんな彼の両隣に立つアルマとナターシャは、あまりに「不器用」な戦友の姿に苦笑を溢している。

「……そういえば、いつの間にか胸のバッジを『紛失』してしまったな。後で始末書を書かねばならん」
「ふふっ……じゃあ、半分くらいは手伝ってあげるよ。私もきっと、同じことをしてたと思うし」
「さっさと片付けて、次の休みには夢乃と珠子に会いに行こうよ。契もずっと、あの子達のことは心配だったんでしょ?」
「……済まんな、アルマ。ナターシャ」

 全ての戦いを乗り越え、穏やかに笑い合う隊員達。彼らを見下ろす太陽の輝きは、その勇姿を燦々と照らしていた――。

 ◇

 そんな中。かつてはBURKオーストラリア支部きっての天才と謳われていたシャーロット博士は現在――母国の片田舎で、独り静かな隠遁生活を送っていた。

 雄大な自然を一望出来る故郷に身を寄せた彼女は、平和を取り戻した地球の美しさを噛み締めるように、穏やかな日々を過ごしている。今となっては、士道が手に入れたホピス星の花の研究だけが生き甲斐となっていた。

 ――数年前にホピス星で目の当たりにした、非情にして絶大な破壊と殺戮。その光景に地球の「未来」を視た彼女はあの戦いの後、人工ウルトラサイン発信装置「イカロスの太陽」の開発に着手していたのだ。
 ウルトラマンを「捕獲」し、その存在を「生物」として解析した上で、「兵器」として運用する。そのような神をも恐れぬ狂気の研究に、独り身を投じていたのである。

 それも全ては、弘原海をはじめとするBURKの隊員達を破滅の未来から救うためであった。

 あれほどの破壊を齎す侵略者に、ウルトラマン達が勝てるとは限らない。彼らが勝ち目のない戦いに命を賭けてくれる保証もない。彼らにとってはこの地球でさえ、数ある星々の一つに過ぎないのかも知れないのだから。
 ならばやはり、地球は地球人の手で守り抜かねばならない。例えその地球人達から、弘原海達から悪魔と謗られようとも、自分がやらねばならない。
 士道達のような、前途ある勇敢な若者達をみすみす死なせるようなことこそ、あってはならない。その未来を変えられるなら、自分は喜んで悪魔に魂を売ろう。

 それが、シャーロットの信念だったのだ。そして彼女はその狂気にも似た執念を糧に、「イカロスの太陽」を完成させたのである。
 だが、当然ながらその運用計画は凍結。狂気の研究に手を染めていた彼女は、BURKそのものから追放されてしまったのだ。

 今の彼女にはもう、何の地位も名誉も無い。だが、故郷の教会に足繁く通っている今の彼女の貌は、「憑き物」が落ちたかのように晴れやかなものとなっていた。

 悪魔に魂を売ってでも完成させた「イカロスの太陽」は、無事(・・)に凍結された。その開発に手を染めた自分は、然るべき報いを受けた。そしてウルトラマンカイナをはじめとする6人のウルトラ戦士達により、地球は救われた。
 その「未来」こそが、5年半に渡りシャーロットが背負い続けて来た「荷」を下ろしてくれたのである。教会の天井に描かれたイカロスの翼を仰ぐ彼女は、力無く笑みを溢していた。

「……天に近付き、翼を焼かれた傲慢なる愚者。まさしく、私のことだったのね」
「そうでしょうか。イカロスはその過ちで命を落としましたが、あなたはまだ生きていらっしゃいます。それはきっと、神の思し召しでございましょう」
「……そうかしら。でも、そうだといいわね」

 そんなシャーロットに声を掛ける金髪のシスターは、修道服に隠された白い爆乳をどたぷんっと揺らして、華やかな微笑を浮かべていた。日々懺悔に訪れるシャーロットを、いつも暖かく迎え入れている彼女の存在も、「翼を焼かれた愚者」が足を運んでいる理由の一つとなっている。
 全ての罪を赦し、受け入れてくれる聖母の如き修道女。そんな彼女の存在が、全てを失ったシャーロットの希望を、この教会に繋ぎ止めているのかも知れない。

「きっと、そうですよ。神も、私も……そう信じております。あなたに償えない罪など、無いのだと」
「……ありがとう。明日また、ここに来てもいいかしら」
「もちろんですわ。教会の子供達も、早くあなたに勉強を教わりたいと、大はしゃぎしておりましたから」

 信念という名の呪縛から解放されたシャーロットは、懺悔を終えて席を立つと。笑顔で見送るシスターに手を振りながら、教会を後にして行く。
 そして今日も、澄み渡る青空を仰ぎ――安らぎに満ちた微笑を浮かべるのだった。



「……ありがとう、ウルトラマン。そんなにも、人間を好きになってくれて」

 こんな自分すらも含めた、全ての地球人のために命を賭してくれたウルトラ戦士達。彼らへの、果てしない感謝の想いを込めて。
 
 

 
後書き


 今回の外星編「ウルトラホピスファイト」はこれにて完結となりました!(*≧∀≦*)
 本章を最後まで見届けてくださった読者の皆様、応援誠にありがとうございます!(๑╹ω╹๑ )
 今回倒したのは満身創痍のキングジョーだけでしたが、その先に居る真の敵は次代のウルトラマン達がやっつけてくれます。その辺りのエピソードはすでに特別編「ウルトラカイナファイト」の方で描かれておりますぞー(о´∀`о)
 
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