社会のダニ
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第四章
「だからな」
「はい、だからですね」
「証拠はかなり揃っています」
「共謀や資金提供のそれが」
「明らか工作員です」
「それではですね」
「逮捕する」
こう言ってだった。
公安は江田の逮捕に動きそうした、この時江田は国家権力の不当逮捕だの自分は無実だの被害者だの言ってだった。
彼と関係の深い者達も擁護して必死に喚きたてたが。
「おいおい、凄いな」
「極左の奴ばかり擁護してるぞ」
「テロ支援国家の工作員ばかりだぞ」
「こいつ等も逮捕しろよ」
「全員真っ黒だぞ」
「しかも証拠凄いな」
江田のそれはだ。
「テロ支援国家から金貰っててな」
「色々工作一緒にやってたんだな」
「公安の発表だから全部出鱈目だって極左言ってるがな」
「これ絶対全部事実だな」
「前から言われてたことだしな」
金の話や共謀の話はというのだ。
「それじゃあな」
「全部事実だろ」
「というか江田の逮捕から色々出て来てるな」
「あいつとズブズブの工作員のルートや金の流れがな」
「共謀とかもな」
「江田はガチで最低だったんだな」
「ヤクザ以下の工作員だったんだな」
多くの者が確信した。
「ヤクザ屋さんもここまで悪いことしないからな」
「ならず者国家とつながって工作の手助けとかな」
「金も貰ってな」
「つくづく最低だな」
「社会のダニってよく言われるけれどな」
「ヤクザ屋さんがな」
「けれどこいつはもっと酷いな」
こう言うのだった。
「本当にそうだな」
「社会のダニってこいつのことを言うんだな」
「ヤクザ屋さん以下のな」
「ジャーナリストって肩書でもな」
「社会のダニなんだな」
江田について軽蔑しきった冷たい声で話していった、そうして。
江田は被害者だの無実だの国家権力の横暴だのを叫び続けていたが捜査は進み彼の噂は全て真実とわかり。
噂に出ていなかったことも次々と明るみに出てだった。
多くの工作員と共に裁判にかけられ外患誘致罪で実刑判決を受けた、それでも彼はジャーナリズムへの国家権力の弾圧だと叫んだが。
「工作員だろうが」
「何が弾圧だよ」
「さっさと刑務所入れ」
「上告なんかするなよ」
ネットではやはりこう言われてだった。
彼の実刑判決は喜ばれた、そして刑務所の中で何を言っても誰も聞きはしなかった。社会のダニとして見られるだけだった。
社会のダニ 完
2022・4・16
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