八条学園騒動記
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第六百六十八話 敵は必ず敗れるその十三
「このままじゃ」
「ダメージを受けていけば」
「もうそろそろな」
「退かれますか」
「そうする」
こう話した。
「そしてな」
「そうしてですか」
「後はな」
どうするかもだ、博士は野上君に答えた。
「悠々と帰ってマシンは他のわしが開発したものと同じくな」
「異次元空間の倉庫にですね」
「入れておく」
「そうされますね」
「そしてまた気が向けばな」
「使われるんですね」
「そうする、わしの作品は全て自信作であるからじゃ」
その為にというだ。
「一作たりともじゃ」
「粗末にされないですね」
「そうする」
まさにというのだ。
「これからもな」
「そうですか」
「自分の作品を粗末にするなぞじゃ」
博士は眉を顰めさせて語った。
「そんなことはじゃ」
「博士はされないですね」
「全くな」
「僕達もそうですし」
「野上君は助手で二匹は家族じゃ」
それぞれのご飯を食べているライゾウとタロを見ても話した。
「だからな」
「それでか」
「僕達もなんだ」
「家族としてじゃ」
その立場でというのだ。
「大事にしておるのじゃ」
「実際に大事にされてるなおいら達」
「そうだよね」
二匹共まさにと応えた。
「ご飯も貰ってね」
「ベッドとかもあるしな」
「充分にくつろげてね」
「幸せに暮らしているよな」
「外道の命なぞ何とも思わんが」
ヤクザ者やチーマーやチンピラ達のそれはというのだ。
「しかしな」
「そうじゃない命はか」
「奪わないんだね」
「左様、あくまで外道の命だけをじゃ」
殺人の時もというのだ。
「奪うのじゃ」
「そうだよな、いつもな」
「博士はそうしてるね」
二匹もその通りだと応えた。
「無茶苦茶してるけれど」
「筋はあるね」
「その筋を守るのがじゃ」
それがというのだ。
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