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レーヴァティン

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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその六

「それで女の子の多くを敵に回して」
「それを見た友達が遠井君と付き合ったら損すると思って」
「縁切って逃げたぜよ」
「それで彼は心閉ざしたね」
「振られて裏切られてぜよ」
「そのことを言われてね」
「それでずっとぜよ」
 それこそというのだ。
「心を閉ざしてぜよ」
「親友の子以外にはだったね」
「付き合おうとしなくなったぜよ」
「そうだったね」
「若し親友の彼がいなかったら」
 そうであったらというのだ。
「もうぜよ」
「潰れていたね、彼は」
「ああして心を閉ざすと」
 そうなってしまうと、というのだ。
「本当にぜよ」
「親しく話しかけてもね」
「中々応えないぜよ」
「そうなるね」
「だからぜよ」 
 それでというのだ。
「そうした人は心を開かないとわかればぜよ」
「そっとしてあげることもだね」
「大事ぜよ」
「そうだよね」
「そうぜよ」
 こう言うのだった、こう話す二人の横では。
 謙二と順一がだ、条約のことを話していた。
「では軍事と経済はです」
「相互協力ということで」
「貿易の関税もなし」
「当初からなかったですがこれからも」
「両政府の関係は対等であり」
「それぞれの浮島を治め」
 そうしてというのだ。
「海の魔神の調査も協力して行い」
「国家の情報も共有する」
「まさに国家連合となり」
「海の魔神にあたりましょう」
「そして軍の指揮ですが」
 順一はこれの話もした。
「東西の浮島それぞれの軍をです」
「それぞれの政府の指揮下に置きますが」
「有事の際はです」
「若し一方の政府が機能不全に陥ればですね」
「もう一方の政府が指揮する」
「これは統治も同じですね」
 謙二はこのことを話した。
「一方の政府が機能不全に陥れば」
「もう一方の政府が統治を行う」
「また金融や技術も協力し合い」
「お互いの浮島への経済進出も推進する」
「そうしていきましょう」
「その様に」
「そしてですね」 
 謙二は順一にさらに話した。 
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