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レーヴァティン

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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその四

「そうなる」
「かえって逆効果だ」
「敵と戦うより前に味方で潰し合う」
「そうなるからな」
「手を結ぶにしても」
「そして連合王国になるにしても」
「それでもな」
 例えそうなってもというのだ。
「喧嘩はしないことだ」
「本当にな」
「それが大事だ」
「というか今いがみ合えば」
 芳直はそうなった場合についてさらに話した。
「本当にな」
「終わりだな」
「敵を前にして喧嘩をするなら」
 即ち衝突する様ならというのだ。
「魔神を倒すなんてだ」
「出来る筈がない」
「全くだな」
「敵には共に向かうものでだ」
「敵を前にしていがみ合うなぞ」
「どうかしている」
「人間の世界ではままにしてあるが」
 敵を前にして衝突することはだ。
「しかしな」
「それでもだな」
「俺っち達がそうなることはな」 
 それはというのだ。
「絶対にな」
「避けることだ」
「さもないとだ」
 それこそというのだ。
「恥だ」
「この世界でどう言われるか」
「本当にな」
「魔神を倒すなぞ」
「夢のまた夢どころか」
「話にするのもおこがましい」 
 こう言うのだった、そして。
 剛は当季に笑って声をかけた。
「そう思うと尚更だよね」
「わし等は仲良くせんといかんぜよ」
「意識してでもね」
「いや、意識したらいかんぜよ」
 当季は剛ににやりと笑ってこう返した。
「かえってぜよ」
「そうなんだ」
「意識せんとぜよ」
 そのうえでというのだ。
「自然とぜよ」
「仲良くすることなんだ」
「こうして話して一緒に景色も観たりしてのう」
「そしてなんだ」
「絆を深めていけばいいぜよ」
「意識しなくていいんだ」
「そうぜよ」
 こう言うのだった。
「何も意識することはないぜよ」
「自然とお付き合いしていけばいいんだね」
「見れば皆相性は悪くないぜよ」
「僕達それぞれがね」
「だからぜよ」
「意識せずに自然体で仲良くなって」
「そしてぜよ」
 そのうえでというのだ。 
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