イベリス
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第六十五話 静かにはじまってその二
「夏休みや休日はあまり活動しないですね」
「体育会系の部活とは違いますね」
「そっちは休日も夏休みでもですね」
「部活がありますけれど」
それでもというのだ。
「ですが」
「文科系の部活はあまりないので」
「そうした時は宜しくお願いします」
「わかりました」
速水は微笑んで答えた。
「ではその様にスケジュールも出して下さい」
「そうします、実はです」
咲は速水に話した。
「テスト前は前以てです」
「休む様にですか」
「してもらっていました」
「小山さんの方からですね」
「そうなる様にしてもらっていました」
「そうでしたか」
「中間の時から。何時テストをするかはわかっているので」
それは既にというのだ。
「ですからその前にです」
「テスト前にはお休みになる様にですか」
「してもらっていました」
「そうだったのですね」
「いや、前以て何があるのかわかっていると」
速水に笑って話した。
「何かとしやすいですね」
「備えもしやすいですね」
「そうですよね」
「そうです、前以て何があるのかわかっていますと」
速水は咲の話を受けて話した。
「備えやすいです」
「そうですよね」
「それを出すのが占いなのです」
「前以て何があるのか」
「そうです、占いは人生の道標であるので」
そうしたものだからだというのだ。
「ですから」
「占いは存在するんですね」
「それを行う占い師もまた」
「店長さんも」
「そうです、まことに前以てわかっていれば」
何があるのかというのだ。
「それが曖昧なものでも」
「何かあるとですね」
「頭の中に入れておくだけで、です」
それだけでというのだ。
「全く違うので」
「はっきりしないものでもですか」
「占いは出すので」
それでというのだ。
「それだけで違います」
「備えられるんですね」
「最低でも気構えは出来ます」
「それで気構えだけでもですね」
「違います、全く想定しなかったことが起こるより」
それよりもというのだ。
「ほんの少しでも何かあるとです」
「頭の中にあると」
「それだけで全く違います」
「そうしたものなんですね」
「ですから」
それ故にというのだ。
「占いと占い師は存在します、ですが何時何があるとはっきりわかっていれば」
「ちゃんと備えられますね」
「むしろ備えるべきです」
絶対にというのだ。
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