八条学園騒動記
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第六百六十八話 敵は必ず敗れるその七
「まことの意味でな」
「普段から国民が餓えている様では」
「ものがある筈がなかろう」
「そうですよね」
「だからな」
それでというのだ。
「まともに戦える筈がなかった」
「弱い軍隊だったんですね」
「その人口に比して数だけ多かったが」
二千に百万位で百万を超える軍隊を常に擁していた。
「軍隊を偏重した政策でな」
「確か先軍政治でしたね」
「出費ばかり多くてな」
その軍隊を支える軍事費にだ。
「国家財政は破綻してじゃ」
「国が滅茶苦茶になって」
「そこに農業等の失政もあってな」
「国民はいつも餓える様になったんですね」
「それでまともに食べものもなく」
軍に備蓄はされていてもだ、それでも兵士まで餓えていたのだ。
「兵器も最貧国であったからな」
「まともなのなかったんですね」
「旧式のものばかりでな」
そうなっていてというのだ。
「燃料も弾薬もじゃ」
「なかったんですね」
「だから弱かった」
軍事変調政策を敷いていてもだ。
「核兵器を持っておってもな」
「それでもですね」
「そうじゃ、何もなくてな」
「だから滅んだんですね」
「そういうことじゃ、兵器以外の技術も旧式でな」
そうしたものばかりでというのだ。
「それでじゃ」
「弱い軍隊でしたか」
「あの様な軍隊は弱い」
博士は言い切った。
「常に餓えている者が満足に戦えるか」
「もうそれに尽きますね」
「だから物資が豊富ならな」
それならというのだ。
「それだけじゃ」
「強い軍隊なんですね」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「だから連合軍はそこから見てもじゃ」
「強いんですね」
「現に攻撃が尽きておらん」
艦載機のミサイルもビーム儲け続け陸戦隊からのそれもである。
「物量作戦が行えるならな」
「それだけで強いですね」
「何度も言うが餓えておってな」
その状況でというのだ。
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