ハッピークローバー
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第三十三話 夏が近付いてその三
「闇金はヤクザ屋さんがやってたりするから」
「犯罪だからね」
「碌な人がやってないから」
だからだというのだ。
「どうしてもという時でもよ」
「借りないことね」
「どっちにしても借金は後に尾を引くから」
「最初から借りないことね」
「それに越したことないわよ」
こう娘に話した。
「だからね」
「お金のことは気をつけることね」
「中には借金をしても平気な人もいるけれどね」
「後で揉めてもいいのかしら」
「そんな人もいるのよ、ただ会社や国家はね」
「借金もするの」
「そうでもしないと」
さもないと、というのだ。
「やっていけない場合もあるのよ」
「そうなのね」
「それでもないに越したことはないわ」
借金はというのだ。
「どんな場合でもね」
「それが第一ね」
「そのことは頭に入れて」
「お金を使うことね」
「そうしなさいね、中には傍らないで養ってくれた奥さんに逃げられて」
「もう食べられなくなって」
「サラ金に借りてね」
そうしてというのだ。
「破滅した人もいるわ」
「そうなる前に働かないとね」
「だから何をしてもね」
「働かない人だったのね」
「それでよ」
「お金がなくて」
「サラ金に手を出してね」
そうしてというのだ。
「家賃も滞納してたし」
「ああ、破滅ね」
「親戚の人が何とか返して」
サラ金からの借金をというのだ。
「それは収まったけれど本人はホームレスになったわ」
「何で傍らなかったのか不思議だけれど」
「世の中そんな人もいるのよ」
「働かないで借金する人が」
「そうよ」
「それで周りに迷惑かけるのね」
留奈も話を聞いて頷いた。
「成程ね」
「そうよ、ちなみに借金の連帯保証人にはよ」
「ならないことね」
「若し相手の人が逃げたら」
その場合はというのだ。
「自分に話がいくから」
「ならないことね」
「そうよ、お金のことはしっかりとよ」
「それが大事ね」
「そこで下手に優しさを出したら」
そうしたらというのだ。
「後が大変だから」
「借りないことね」
「最初からね」
留奈に強い声で話した。
「そうしなさいよ」
「お金のことって怖いのね」
「怖いわよ、安定して使えるに越したことはないけれど」
それでもというのだ。
「怖いものなのよ」
「借金のこととか考えたら」
「そうよ、借金で逃げ回る人もね」
「いるのね」
「逃げてね」
「そうなるから」
「こうなると自分も大変だけれど」
それだけでなくというのだ。
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