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ハッピークローバー

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第三十二話 泳いだ後でその十三

「それでロシア人は体格もあって」
「あちらもですか」
「大きい人がね」
「多いんですか」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「コンドームの質はよくないわ」
 先輩はかな恵にこのことも話した。
「コンドームも日本製がね」
「いいんですか」
「かなりね」
「コンドームも日本製ですか」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「ロシア製はやっぱりね」
「質が悪いですか」
「コンドームもね、チャックだってね」  
 これもというのだ。
「外国にはないかあってもね」
「品質が悪いんですよね」
「このことは貴女も聞いてるわね」
「知ってます、日本のチャックはよくて」
 そしてというのだ。
「多いって」
「もう共産圏なんか」
 かつてのそちらの国々はというのだ。
「チャッなんてね」
「なかったですか」
「あまりね」
「日本程はですか」
「軍服でもかなり質が悪かったのよ」
「着心地悪かったんですか」
「そうだったのよ」
 こうかな恵に話した。
「ズボンの前もチェックじゃなくてボタンよ」
「日本じゃチャックが常識ですね」
「それが違って」
 それでというのだ。
「そうだったのよ」
「そうですか」
「それでコンドームもよ」
 先輩はこちらに話を戻した。
「それもね」
「質が悪いですか」
「日本のと比べるとね」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「そうしたこともね」
「覚えておいて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「色々考えてね」
「わかりました」
 かな恵は先輩の言葉に頷いた。
「国によって違いますね」
「何でもね」
「コンドームもなんですね」
「いやあ、日本のコンドームも買って」
 先輩はさらに言った。
「驚いたわ」
「質がよくて」
「コンドーム一つ取ってもね」
 それこそというのだ。
「日本は違うのよ」
「そうなんですね」
「こんなの凝る?って位にね」
 そこまでにというのだ。
「小さな物事にもこだわって」
「品質がいいんですね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「使いやすくもあるから」
「いいですか」
「いや、ロシアも大きいだけじゃなくて」
「品質もですか」
「よくなって欲しいわ、何しろ小さなことにはこだわらない国だから」
 ロシアはというのだ。 
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